んな日にも 9













「あの、すみません俺な…「こーこーせーです!!」」

言いかけに被せられた言葉で自分の大きな失態を知り、沢田さんとは逆に俺は青くなる。

「あ〜あ。」

と、ディーノの声が遠く聞こえた。



こーこーせー……高校生……。



まさか…こんな可愛らしい容姿で高校生なんてある意味詐欺だ。

しかし、高校生の男が中学生に間違えられるなんて屈辱的だろう。このままでは嫌われる。


「すみませんでしたっ!!!」


言いようのない不安感に襲われてバッと頭を下げた。
土下座でもしたいくらいだ。俺の馬鹿野郎…。


「…………………………」

「………………………?」


静寂が痛い…。てっきり沢田さんから何らかのお叱りを受けると思っていたが…何も反応が無い。それも怖くて恐る恐る顔を上げてみる。

と、そこには複雑そうな笑顔の沢田さんが居た。


「…え?…あの、すみません…俺…沢田さんは凄い可愛らしい人だと…あ、可愛いなんてのも嫌ですよね、ただっあの…」
上手く弁解出来ずに言いよどんでいると、沢田さんは堪えきれない様子で笑い出した。
何で笑っているのか分からずにいると、ディーノも笑いながら話しかけてきた。


「どーした獄寺。俺、そんなお前始めて見たぜ?」

「は?」

「私も、店長がそんなに慌てたり不安そうな所なんて初めて見ました。」

「…えっ……」


笹川までもニコニコと…。
あぁ、確かに…俺は何でこんなにこの人に嫌われたくないと不安に、そう不安になったんだろうか…。
その慌てっぷりは確かに端から見たら可笑しかったかもしれない。


「獄寺さん、ごめんなさい。俺…ガキに見られるのがコンプレックスだから大きな声出しちゃって。」

「いや、それはホント俺が悪かったんで…」

「そりゃあなたみたいな背の高い、格好いい人から見たら中学生なんだろうけど、でも、そんな格好いい人があんなに慌てるの見たら」

ちょっと驚いちゃって。と笑う沢田さん…に…格好いい。って2回言われた…。
はい、ここ重要。テストに出ますよ?

何故だろう、この人に言われると今まで言われて嫌なことがまるで違う言葉に聞こえることばかりだ…







ー09ー



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