んな日にも 8













「ディーノさん!似合いますね!」

沢田さんもこちらに来るとまたディーノがちょっかいを出し始めた。
普段はやらないが、やはり何となく腹の虫が治まらないので、ディーノにいっぱい買わせるにしても、それなら…


「沢田さんもせっかくなんで色々試着してみて下さい(うちの服着た沢田さん見たいし)ディーノさんが沢山買ってくれますよ?」

「え?あぁ、そーだツナ!せっかく来たんだ、好きなの選べ!俺が沢山買ってやるからな!」


ん?…言ってはみたが、これはディーノのポイントを上げることになるのか…本当なら俺が買って差し上げたいが…
しかしさすがに初対面でそれは不自然だから断念しよう。仕方ないな。

もちろん、金の事で痛手を負うディーノではない事は分かっているから、店の売り上げ確保だと思えば…なんてことを考えている俺と、沢田さんの服を意気揚々と選んでいるディーノの思案を沢田さんは大きく裏切った。


「俺、買ってもらわなくていいですよ?」

「え?」

「ツナ〜?」

「だって何でも無い日に何か買ってもらうなんて悪いし…ここのは自分で買いたいんだ」

「俺は何でも無い日でもツナには色々買ってやりたいんだぜ?」

「それはありがたいんですが…でも俺、先月からバイト始めたんですよ!店の場所が分からなかったけど、もう分かるから買いに来れます!」


そう、嬉しそうに話す沢田さん…。
買ってもらえると分かると直ぐに飛びついたり、買ってもらうのが当たり前、会計の時に一緒にいなけりゃ、礼も言わない、荷物も持たない。そんなのばかり見ている日常で…なんて純粋…。

自分で働いて自分の好きな物を買う。当たり前だけど凄く偉い。こーゆうお客さまは本当に大切にしたい。
見た目の可愛さで惹かれたのはもちろん、中身も良い。ますます気にいっちまったな。でも…


「中学生でバイトはまずいんじゃないですか?」


思った事をそのまま口にした。


「ばっ!おまっ………」

「………………………」


…何か…不味いことを言ったらしい…。ディーノが慌てて、沢田さんの顔が見る見るうちに赤くなる。







ー08ー



[back]|[next]




back








.
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -