んな日にも 7
「あ…えっと、大丈夫でしたか?とりあえずそちらの椅子へどうぞ?」
ディーノより自分を見てほしい。なんて思ったのに、いざガン見されると戸惑う。
店内には小さな丸テーブルと椅子が1組あり、そこへ沢田さんを促す。
「あ、あの。ありがとうございます。ディーノさん、たまにああやって強引だから」
「いえ、良いんです…むしろ、お邪魔でしたか?」
遠慮がちに腰掛けて見上げてくる沢田さんは可愛いが、笹川の言った言葉が引っかかっていたので聞いてみる。
すると、頭をブンブン振って
「そんな!全然!ほんと助かりましたから!外国の方だからですかね、スキンシップが激しいのは」
身体中触ってくるんですよ〜。なんて笑う沢田さん。
ディーノに本日何度目かの殺意が沸く。
「あの人には多少キツく言った方が良いですよ?とは言っても沢田さんはお優しそうだから無理ですかね?」
「いや、そんな。ディーノさんには良くしてもらってるし…俺、全然そんな奴じゃ…」
「そーだ!俺はツナをヨクしてやってるんだ!可愛い弟分をたぶらかすなよ!」
「…その言い方は…沢田さんの教育上良くないから止めて下さい。それにたぶらかしてるんじゃなくて本当の事をお教えしてるだけですよ」
フィッティングルームのドアを開けて叫ぶディーノにため息混じりに近づき、説明したのに間違っている着方を直し、パンツの裾の長さも合わせて、外に出ても良いと告げる。