んな日にも 6













そりゃ、男相手に可愛いなんて思ったのはじめてだが…そう、そーだよ、沢田さんは男だ。

俺に向けられていたキラキラ可愛らしい笑顔がディーノに向けられたからって何だ。
別にこの2人は元々知り合いなわけだし。
モデルの件で動揺しただけだ。


ディーノにムッとしたのは、沢田さんの笑顔に鼻の下がのびきってるこいつの顔がムカついたからだ。

決して、決して…俺を見ていたのに何でそいつにそんな笑顔を見せるんですか、とか沢田さんにもムカついたりなんて…



してたのかよ!俺っ!!!!




…冗談だろ。あぁ、今女がいないから飢えてんだな!見境ねーな!いや、別に女好きってわけじゃなくて、何人かいたけど…何か自分にはそーゆうのは合わないとゆうか、続かなくてすぐに別れちまって。って何思い出話してんだ…落ち着け俺。とりあえず冷静に。冷静に…


「あはは!ディーノさん凄い!こっちの服も似合うんじゃないですか!?格好いいと何でも似合うんですね〜!!」

「いやーそんなことないけど、ツナだって可愛いんだから何だって似合うぜ?」

「俺可愛くないですから!やだなディーノさんってば〜」






「端から見たら……カップルと間違えちゃいそうですね。実は本当にそーだったりして★」

いつの間にか2人は…主にディーノが無理やり店内を物色しはじめていて、これまたいつの間にか隣に居た笹川がニッコリと俺に微笑んだ。

何故だろう、今日は可愛い笑顔が全て小悪魔に見える。



「えっ?ディーノさん!やだ!試着くらい1人でして下さいよ!」

「え〜だって、これ着方がよく分からないからツナ着せてくれよ〜、ここ広いから2人入れるって!」



プチッ


あ、今何か切れたな。何だろな〜…まぁいいか。


笹川の言葉に放心して2人をぼーと見ていたら、不信な会話が聞こえてきて、頭の中で何かが切れた。

もぅ、気にするな!獄寺隼人!
俺は自分の本分をまっとうするだけだ!
店と俺の心を乱したディーノにキッチリ買い物をして帰って頂こう。これで遊ぶだけ遊んで帰られたら割に合わねぇ。


そして、俺の仕事とゆう本分以外に沢田さんをディーノから守ることも含まれていると思わずにはいられない!
宿命めいたものを感じる。

そうだ!俺はいたいけな少年、沢田さんの危機を感じて反応していたんだ!
そうと決まれば話は早い!


「ディーノさん!その服、ちょっと複雑でしたかね、すみませんちょっと失礼しますね!」

フィッティングルームに連れ込もうと沢田さんの腕を引っ張っていたディーノの手首を掴んで離させると、すかさず2人の間に滑り込んで服の着方を説明する。そして

「あと、このカットソーならこのダメージパンツなんかをあわせるのがお勧めですから、よろしければ!」
素早く選んで持ってきていたパンツをディーノに掴ませ

「では、ごゆっくりどうぞ!」と扉を閉め、軽い充実感を味わう。
満足げに振り向くと沢田さんが呆気にとられた様子で俺を見ていた。







ー06ー


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