の香り 2
ガラッッ!!
「…ぷっ…ハァァー…」
「…ハァ…ハァ…」
気を紛らわそうと綱吉は一度に色々な種類を紙に吹きつけていたため、気付けば部屋はエラいことになっていて、2人とも気分が悪くなり慌てて窓を開けた。
暫く2人で窓にへばり付いて深呼吸していたが、そんなおかしな状況にお互い笑い合う。
「ハァ、十代目、ご気分はいかがですか?」
「ん、もー大丈夫。獄寺君は?」
「俺も大丈夫っす。で、好みのやつありましたか?」
「最後の方は匂いが入り交じっちゃってたからちょっと微妙なんだけど、これと…これが好みかな」
テーブルへ戻り2種類選んで手前に出す。
「では、アトマイザー持ってきますね?」
「あと?」
「中身を持ち歩いたりするように小分けに出来る容器があるんです。」
そう言って1度部屋を出てから小さな紙袋を持って戻ってきた。
テーブルに数個、アトマイザーを並べる。
「…本当なら新しい物を買ってお渡ししたいんですが、十代目嫌がるでしょ?」
「うん、買ってもらうなんて駄目だよっ」
「でも俺、十代目と同じやつ持っていたいんで分けたら十代目が本体を持って帰ってください。」
「俺、分けてもらうってゆーのも考えてなかった…」
「え、あ…俺、興味を持たれてたので、つけるのかと…勝手に思ってて……!俺と一緒のなんて嫌でしたよね!!すみません!俺っ…なんて恐れ多い事を!!」
「ちょっ!何でそーなるの!?やめて!違うから!!」
困惑しながら土下座し始める獄寺を綱吉は慌てて止めに入る。
「君の言う通り、つけてみたかったんだ。でもいきなりお店に行っても分からないだろうから今日来たんだよ!…出来たら…君と一緒のが欲しくて…」
顔を上げた獄寺に対して今度は綱吉が顔を赤らめて伏せた。
「だから、このアトマイザーってゆうのに入れたの貰える?それで、使って一番気に入ったのを自分で買うよ。お揃いにしたいんだ。」
「十代目…嬉しいっす。すぐご用意しますね!」
言って獄寺がテキパキト作業を進めるのを綱吉は嬉しそうに見ていた。