んな日にも 3
店が10時開店と、車で20分通勤の為、朝の目覚めが悪くても比較的楽だ。
店に入り一通り掃除をし、前日のデータやこれからのプランをパソコンに打ち込んでいるとだいたい昼過ぎになる。
元々来客が少ないため午前中に客が来ることは余り無い。
今日も昼になり店に1番に来たのはスタッフの1人、笹川京子だ。
「店長、おはようございます」
「あぁ、おはよ」
笹川は柔らかい雰囲気で笑顔が可愛いとお客に人気がある。
スタッフはもぅ1人いて、通常2人出勤1人休みで回ってるが、忙しい時には本社の人間に来てもらう。
笹川に定例報告をしているとドアの近くで
ドンッ!ガッ!!ゴンゴンッ!!
と派手な音がする。
「あいつだな。笹川はいいよ、そっちやってて」
「はい、わかりました!」
笹川の返事を背にドアを開けると予想通りの人物が転がっていた。
「ディーノ…さん、いらっしゃいませこのやろう。何でいつも来てる階段でこけるんです?」
毎度の事だから驚きはしないが、店のドア付近を荒らされるので少しイラつく。
「獄寺久しぶりだな!1ヶ月位ぶりか?」
「そーですね、とりあえず中へどうぞ…ん…?」
そこではじめてディーノの後ろでオロオロしてる少年に気づく。反射的に「いらっしゃいませ」と微笑むと狼狽えながら会釈してきた。中学生位か?ディーノを心配している様子から知り合いだと思いディーノに目線を送ると、入り口の段差でまたつまずいていたディーノが咳払いして少年を俺の前に押しやった。
「ツナだ!俺の…遠い親戚みたいなもんか?」
紹介してる俺に質問されても困る。
「そんな感じですね」とディーノに答えている少年を見るとこちらに向かい
「沢田綱吉です。」と今度はしっかりとお辞儀をした。
ココア色の柔らかそうな髪がフワフワ立っていて、外人には見えないが少し色素の薄い飴色の大きな瞳に白い肌。大人になる前の少年…にしては可愛らしい…。可愛いは男に使う表現じゃないのに何故そう思ってしまったのか自分に疑問を感じたが、改めて見ても…やっぱり可愛いらしい容姿をしていた。