んな日にも 2
家のドアを開けると1匹の猫が足元にすり寄る。日本に来て慣れない仕事に疲れ果ててろくにご飯も食べずフラつきながら歩いていた時に道端に倒れていたこの猫につまづいたのがきっかけで飼い始めた。
「にょお〜ん」
「ただいま瓜。悪さしてねーだろうなぁ?」
頭を撫でようと手を出すが…
ガブッ…!
「イッ…!!噛むなっつてんだろ!メシだろ?今出してやっから!」
靴を脱いで足早にキッチンへ入り猫缶を取り皿に盛ってリビングへ行き、テーブルの下に置く。
またキッチンへ行き、冷蔵庫から作りおきのおかずと白米を出してレンジで温める。
料理は苦手だったが、何でかこいつは俺が食事を始めないと目の前にエサを出しても口をつけない。それに気付いた時から瓜に朝・夕の食事をさせるため自分の食事が必要になり、自然と作るようになっていた。
懐かれてるんだか懐かれてないんだか良く分からねぇな。
料理と言っても仕事から帰って22時、それから作るのは大変だから、温めれば食べられる物をだいたい朝か休日に作り置きしている状態だ。
食事をすませて風呂に入り、眠くなるまで読書をする。
仕事のせいか、なかなか寝付く事が出来ないが、いつの間にか近くで丸まっている瓜の体温をかりて眠りにつくことが習慣になっていた。