ツナツナパニック★ 3










いまだ山本がたしなめるも、獄寺には逆効果で、あいも変わらずギャンギャン吠えている。


瞬時に反応出来なかった綱吉だが、獄寺が何に対して怒っているのかを悟と不謹慎にも顔が緩みそうになる。
しかし、獄寺が来た時に気付いた事を思い出し仲裁を試みた。
「獄寺君、もーやめてよっ!!ふざけてただけなんだからっ!!」と頑張って声を上げる。

綱吉に声をかけられれば掴んでいた山本の胸ぐらを離す他ない。
しかし、知らず知らずに自身の失態の八つ当たりも含んでいる為に怒りはなかなかおさまってはくれず、尚も山本を睨み付ける獄寺。



教室に入ってから獄寺は綱吉を確認する仕草は見せたものの、目を合わせない。綱吉に背を向けたままだ。
そんな獄寺に綱吉は気になっている事以外の違和感と、胸の奥がジクジクするような感覚を覚える。


(なんでこっち見てくれないの…)


いてもたってもいられなくなり




ボスッ…!!




っと、獄寺の背中にタックルした。


何者かに背後からの攻撃を受けた獄寺は瞬時に反撃大勢に入ろうとしたが
「獄寺君…」呟かれた声と、お腹に回された手に"何者か"を確認して全身を硬直させた。


「獄寺君、ありがとう。俺なら大丈夫だよ。それより、君が怪我してるじゃん。それ、どうしたの?」言いながら手を緩めて獄寺を自身に向き合うように促す。


「いえ、あの、これは…」恐る恐るといった感じで振り向く獄寺は躊躇いながらも綱吉を見る。

綱吉の目線からして、怪我とは先ほど壁に頭をぶつけていた時のものだろう。自身で確認していなかった為、目立っているのかと恥ずかしくなり、言われてみれば痛みのあるおでこに手を当てる。
しかし、手が触れて痛い場所は髪で隠れている場所だ。よくよく見なければ気付く事は無いのではないだろうか…

気付かれた驚き、気付いてもらえた嬉しさ、気付かれた恥ずかしさ。色々な感情が入り混じり対応出来ずに身じろぐ。


しかし、そんな獄寺を綱吉は逃がすまいと腕を掴むと、授業を中断され今にも怒り出しそうな教師に向かい

「獄寺君が怪我してるので保健室に連れて行きます!」

とキッパリ言い切り、教師と獄寺の意見は聞かない。とばかりに獄寺を半ば無理やり家庭科室から連れ出してしまった。






.

ー03ー

[back]|[next]




戻る

.