ツナツナパニック★ 2










勿論、勘違いだとしても全部は許さないだろうが山本の言う通り、獄寺の誤解だ。




いつものように綱吉を迎えに行き仲良く登校はしたが、早々に授業をサボり屋上で寝ていた。
だが、次の授業は移動教室だったはず。移動中、十代目に何かあってはいけない。と思い、教室に戻る為に屋上を後にするも教室に着く前に始業のチャイムが鳴る。

これでは結局移動中に何かあった場合、守る事が出来なかった事になる。自身に苛立ち壁に数度頭をぶつける。
しかし、ふと

「駄目だよ獄寺君!!」

と愛しい人の声がした気がして我にかえり、急いで移動先の教室へと進路を変えた。


そして着いた家庭科室の前。
扉を開けようと手を伸ばした所に飛び込んできたのが先ほどの会話だった。







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「今日はツナのオムレツサンドと、フルーツゼリーを作ります。」




材料を自分達で買わなくて良い変わりに、今日はこれがお昼で、クラスみんなここで食べることになっている。
前回の授業で言っていたが、きっと獄寺はそんな事は聞いていない。





授業が始まったけど獄寺君が来ない…
仲良くなって、その…お互いすっ、すすす好きだって言って、つい先日から付き合うことになってからはサボる事、少なくなったんだけど…昨日夜更かしした。っていってたから、まだ屋上で寝てるのかな?

一緒に作って、一緒に食べたかったのにな。と、内心でごちるのは、ついつい獄寺の事を考え出すと止めどなくなってしまう沢田綱吉。

綱吉は授業開始早々、獄寺不在の為に意識はまったくの明後日だった。


そんな綱吉が、ふと自分の名前を呼ばれた気がして意識を戻した所に山本の
「好きだぜ、ツナ!」発言。


ツナのオムレツサンドの事とは知っていたので、周りは魚のツナを食べるのが嫌だ。と騒いでいたのは何となく分かっていたけれど、こちらを見てニコニコ言い放った山本のは、明らかに綱吉をからかっていると理解し、けれど山本の性格上、本当に馬鹿にするなどのたぐいでは無い事も分かっているので気恥ずかしさから
「やっ…山本、やめてよ。恥ずかしいよ」と反応したのだ。






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ー02ー

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