――――――――――――――言葉を形にする方法 5
「…ふっ……んっ…」と息の詰まる声を聞き、驚いて顔をあげた。
そんな艶めかしい声出されたら…
じゃねぇ!ふざけんな俺!
「どーされたんですか!十代目!」両肩を掴んで顔を伺うと
「おっ、おれだっ…いっしょ…いた…っいたい、よ。ごく…っらくん。。。でも、かぁさ…しんぱい…す…からっ」と大きな飴色の瞳にめいいっぱい泪をためながら告げる。
あぁ、そうだ。この方はいつだって優しい。自分の事だけを優先させたりしない。気持ちの高ぶりからか、混乱させて泣かせちまうなんて…俺は…俺の欲だけをぶつけちまって…最低だ!
自分を叱咤し、一度俯いて落ち着かせると、再び濡れる瞳を見つめて優しく言った。
「大丈夫っすよ、十代目。貴方が公園に入るのを、お宅へ伺おうとしてた俺は通りかかったんで、嬉しくてお母様にはその時に貴方を暫くお借りしたいと連絡していたんです。だから、多少遅くなってもお母様はご存知ですし、俺のせいにしてもらえば。」
「大…丈夫…?…そっか、そ、なんだ…。あ、ごめん、俺…泣いたりしてっ」
「いえ、俺がもっと早くちゃんと言っていれば。申し訳ありません!」と頭をさげるが、「でも、十代目。」と顔を上げ「その泪の半分くらいは、俺と離れたくないからと、捉えてもよろしいですよね?」と言いながら目尻の雫をチュッと吸い取ると、綱吉の脳は泪と彼の行動でジンジンと痺れ、感覚を麻痺させる。
「ね、獄寺君…じゃあもっと一緒にいられる?この後も…一緒にいたいよ…」
耳まで真っ赤にさせながら、獄寺の服をキュッと掴んで告げる姿は破壊的で、獄寺まで痺れさせる。何とか脳を働かせて
「では、明日は日曜ですし、お母様に許可をいただいて、このままうちに来て下さい!今、電話しますから!」と告げると、綱吉はガバッと獄寺に抱き付き「えへへっ」と可愛く微笑む。
綱吉にキスの嵐が襲うのは当然で、獄寺が綱吉の家に電話するのはもぅ少し先、再び綱吉が慌てだした時になってしまった。
end
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↓後書き
最後までお付き合い頂き、ありがとうございます!!
…この長さを書いたの…初めてです…。
大丈夫なのかな、これ…
基本的には甘いハピエン好き。なんですが、自分で書いているとわりとシリアスになりそうな事に気づきました…。
「風の強い日に」では、シリアスに付き合い始めそうだったので、その後はあやふやにして、あれはまた別の獄ツナって事にして下さい。
一応これでうちの獄ツナはくっついたのかな…。でも、またくっつく、くっつかない話が書きたくなりそう。(笑
獄ツナ!と言っているわりには、妄想するのは獄寺君を思う綱吉君の独白話みたいなものや、基本的に綱吉君が頑張る話ばかり浮かぶので、この話は「そーじゃなくてー!2人がいいの!会話して!会話!」と言い聞かせながら書き始め、「獄寺君をかっこよく!!」が目標でした!…達成できてるかな…
次回も頑張ります!
お気に召しましたら、clapして下さい★
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