――――――――――――――戻る言葉を形にする方法 3
ごっ獄寺君…本物?いつ帰って来たの?いつからそこにいた?…聞かれてた?…君の耳なら…聞こえてた…かも……。言いたいことはたくさんあるのに声が出ない。
困らせた自覚はあるようで、獄寺は少し困ったような優しい笑顔で思考が止まってしまった綱吉にゆっくり近づき、寒さでうっすら桃色に色づいた頬に手をそえて
「冷えちまってますね…」と呟き、
「えっ?あっ?」と慌てる綱吉が可愛すぎて手を離すことが出来ずに、そのまま
「こんな所で何をされてたんですか?」と聞く。
落ち着いていて、いつもの雰囲気とは違う獄寺に綱吉は更にときめき、心臓の音が彼に聞かれてしまうのではないかと焦りながらも何とか先ほどの自分を説明する。
「えっと、あの、雪!ゆ…きが綺麗でお腹が空いたからコンビニで、えっと、ここ誰も居なかったから…息が白くて、声が…言葉が形になって見えるみたいで…その…嬉しくて…」
なんとか説明しようとする綱吉が可愛くて、獄寺は目を細めて愛おしげに軽い相槌をうちながら話をうながすが、その表情が余計に綱吉を混乱させていることには気付かない。
「白い息が言葉の形。。。さすが十代目。考えられる事が違いますね。」
「へっ変かもしれないけど、声って目に見えないから…不安になったりして…でも確かにあるもので……ごめん。俺、何言ってんだろ」
自分の下手な説明と獄寺の視線にたえきれずに俯く綱吉だが
「寂しいです、十代目。。。
早く帰りたい。早く逢いたい。
ねぇ、十代目。好きです。」
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