――――――――――――――戻る言葉を形にする方法 1
雪が降った。
綱吉の住むこの地域では今年最後の雪かもしれない。
昼間は一旦降り止んだ時を見計らって雪かきをしていたら、ランボが大はしゃぎで大変だった。
「つっかれたぁ」…と綱吉がソファーへ崩れれば「お疲れさま♪」と母の奈々がホットココアを差し出す。
うん、悪くない休日。ってやつかな。なんて思ったのも束の間で、考えないようにしていた違和感に襲われる。
そぅ、いつもなら綺麗な顔を破顔させて
「お手伝いします!十代目!!」と、ナイスタイミングで来そうな彼が来なかった。
理由は分かっている。
「イタリアへ、あなたをお守りする為のダイナマイトの調達に!!」と先日道端で大声で言うものだから慌てて止めていた。
「雪…一緒に見たかったな」とココア味の温かな息をこぼしながら自室へ戻る。
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