めるもの 1










「ゲホッ!ゲホゲホッ……はぁはぁ…ゴボッゴホッ…」



(やばいなぁ…ほんと、なんなんだろコレ)




朝方、突然の咳で起きたのは先週の話。
沢田綱吉はいつまでも治らない咳に違和感を感じながらも巨大マフィア10代目ボスとしての多忙さにかまけ、己のことを後回しにし続けていた。

昔は学校を休めてラッキーなどと思えていたのが夢のようだと、ついたため息にさえ呼吸を乱されて咳をする。


そんな状態が続き、いよいよ声が出にくくなり上手く喋れずに普通に呼吸することさえままならなくなった。


こんな醜態を他のマフィアが出席する会議や会談で晒すわけにはいかず、ほぼ仕事部屋に籠もり書類を片付ける。
それを側近中の側近である獄寺と山本が外で処理をしていた。

とりわけ、常に傍に居る自他共に認めるボンゴレ10代目右腕、獄寺隼人へは、より重要な役割を任せているために綱吉はほぼ周りから隔離された状態にあった。



しかし幸か不幸か、大きな抗争がないにせよ自ら現場に行くオープンな活動をしているボンゴレ10代目が出てこなくなった。とゆう噂が微かに広がりを見せてきた為、男は診ない!と当初突っぱねられた、態度は悪いが才ある医師、Dr.シャマルに数日前から診てもらうことが出来た。


しかし、良くなる気配はなく、すでに手元の書類に目を通すことさえ容易ではなかった。







ー01ー

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