んな日にも2-9
出勤すると、カウンターに数名いた。
会計ってわけじゃなさそうで何だか嫌な予感がする…。
ドアが開いた事に気付いた笹川が慌ててカウンターから出てくる。
「いらっしゃいま…店長、おはようございます」
「あぁ、はよ…もしかして」
「はい、先ほどいらっしゃいました」
「はぁ…」
来ている2人組の検討はついていて、確真と共に深いため息が出る。
「隼人!久しぶりね!」
「店でそんなため息ついてんじゃねーぞ」
「お久しぶりですリボーンさん、姉き。こっちに来られてたんですね」
そう、来ていたのはボンゴレの社長、リボーンさんとデザイナーである俺の姉のビヤンキ。
ここ数年厳しさが加速するアパレル業界においてリボーンさんの奇抜な運営は、ビヤンキの“拡大しすぎない”の希望をクリアしながらも世界に店舗を出し、数々の成功を成している。
まるで狙った獲物は着実に仕留めていくようで、さながらビジネスのヒットマンとよばれ、俺が尊敬する人物だ。
ただ、ため息をついたのはこの2人が合わさるとろくな事が無い、とゆぅ事を知っているからだ。
普段はイタリアにある本社にいて、たまに突然日本にやってくる。
そんな時はいつだってトラブルが起きる…とゆうか、この2人がトラブルを故意に起こしてるとしか思えない。
「で、今日はどーいった用件で日本に?」
「あら、姉が弟の様子を見に来るのは自然な事じゃない?」
「………(いや、ぜってー何か企んでやがるだろ!)」
「まぁ、単刀直入に言うと、モデルやれ」
「…はっ!!?(ぁぁぁあっぶねぇ!ビヤンキならともかく、リボーンさんに暴言吐くところだった…いや、でも)…あ、あの…俺、モデルはもぅ…」
「7連休、欲しくないの?」
「なっ7!?(前回より増えてやがる!チクショー!)…ぐ…。いや、でも…」
「最近彼女が出来たらしいな?」
「んな゙っ!?…何で…(彼女…って事は、沢田さんの存在は知らないんだな?俺に相手がいる事を知ってるだけだよな?)」
「俺の情報網なめるなよ?」
「付き合いはじめてはじめての夏が目の前。バカンスにも連れてってくれない男なんて最悪よ?あんたまさか2連休くらいなら取れるから、ちょっと遠出して一泊旅行とか考えてるんじゃないでしょうね?」
「ゔっ……」
「図星か、なさけねぇ。男なら身体はりやがれ」