んな日にも2-4














翌朝、目を覚ますと瓜が一緒に寝ていた。
飼い主はいない。これもいつもの事。
ペタンペタンとフローリングの床を歩き顔を洗いに行く。水の冷たさで眠気が少し抜けるけどまだ半目のままリビングに続くキッチンを覗く。


「おはよーごさいます」

「おはようございます、すぐに用意しますね。オレンジとアップル、どっちにしますか?」

「んっと、オレンジ」

「はい」


リビングにあるテーブル席につくと獄寺さんがオレンジジュースの入ったグラスを手渡してくれて、飲んでるうちに朝食が運ばれる。
良い匂いにお腹がキュルっと鳴ればクスリと笑った獄寺さんが
「瓜!」
と呼んで、やってきた瓜にも専用の皿を差し出す。揃ったところでみんなで朝食。


「今日は?」

「ゆっくりです」


日曜日でも仕事な獄寺さんと一緒にいられる時間は少ないから、遅く家を出る時でも早めに起きて時間を作る。
とは言ってもいつでもどこでも寝れる年頃の俺はスッキリ目覚められずに食べ終わるとソファーに移動してゴロゴロしてしまう。

そこへやってきた天然湯たんぽ。それを逃すはずもなく引き寄せると、瓜もまだ眠いのか、俺の顔を数回舐めたあと寝っころがってた俺の顔のすぐ横で丸くなる。
瓜の顔が目の前にあったから、猫のように鼻先を瓜の鼻先にすり付けると、目を瞑ったまま
「にょ〜ん…」
と短く鳴いた。

面白くて何度も繰り返していると、カチッ…カチチ…と不審な音がしてチラリと見上げると、バッ!!っと何かを背中に隠す獄寺さんが立っていた。


「…獄寺さん?」

「は、はい…」

「今、何か隠しましたね?」

「さ、さぁ?気のせいでは?」

「嘘!背中に隠した!!」


ガバッと起き上がり、腰にタックルする勢いで背中に手を回したが、獄寺さんは手を上に上げてしまった。こうなると悲しいかな身長差。俺がいくら手を伸ばしても届かない。

ムッとして腹に一発右ストレート!!
俺のぷよぷよな身体と違って、獄寺さんはジムに通ってるわけではないのに綺麗に程よく筋肉があり、難なく俺のそれを受け止める。

それが更にムカついてキッと下から睨み


「獄寺さんの変態!ストーカー!!」


と叫んでソファーに戻り、ドッカリと腰をおろす。







ー04ー



[back]|[next]




back








.
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -