んな日にも2-3
―カチャ…ガチャガチャ…
「帰ってきた!」
「ニャ〜」
そろそろかな?と今日は遅い日だから作った料理を温めてると鍵を開ける音がして、俺と瓜が迎えに行くと靴を脱ぐ獄寺さんがいた。
獄寺さんは家に上がりながら
「ただいま、瓜」
と言って瓜をひと撫でする。俺はその光景が大好き。
瓜はしょっちゅう獄寺さんをひっかくし、言うことを気まぐれにしかきかない。だから獄寺さんも怒ってばっか。
だけど、この瞬間の獄寺さんは本当に優しい顔をするし、なついていないのかと思いきや瓜もこの時ばかりは嬉しそうにする。…それでも機嫌が悪いとひっかくけど。
ともかく、俺はすぐに駆け寄りたい衝突を抑えていつもそれを見ている。…本当は…ちょっと瓜に妬いちゃうけど、それは俺だけの秘密。
だって獄寺さんは顔を上げると、何年も一緒に住んでる瓜と同じ笑顔を俺にもむけてくれるから。
「お帰りなさい、獄寺さん」
「ただいま」
それに、俺の髪も撫でて…額にキスをくれる。なんだか安心する瞬間。
獄寺さんはつたない俺の料理もいつも絶賛しながら食べてくれる。大したこと無い…けど、一生懸命作ってはいるからやっぱり嬉しい。
夕飯を食べてお互いお風呂に入るとまったりリビングでテレビや映画を観たり、俺が持ち込んだゲームなんかをしているとあっとゆう間に時計は頂上を示す。
獄寺さんの朝は遅いから深夜に寝るのが当たり前らしいけど、学生の俺の生活リズムでは限界で、気付くと獄寺さんに抱き抱えられて寝室のベッドへ乗せられる。
睡魔に襲われると、言うことをきかないこの身体は獄寺さんが
「おやすみなさい」
と額にキスをくれたのを微かに感じながらすぐに深く堕ちてしまう。
以前、夜中に目が覚めた時に横に獄寺さんがいなくて驚いたけど、まだリビングでテレビを見ていた。睡魔には勝てず、声をかけないで寝室へ戻り、朝方また起きてしまった時には横に綺麗な寝顔があった。
起きてられたら一緒の時間が増えるのに。こんな所にも年の差を感じてもどかしい。
そうは言ってもなかなか身体は素直に今日も眠くなり獄寺さんに抱えられる。自分で言うと虚しいけど、俺の体系って一見中学生並み。だから高校生なのに軽々持ち上げられてまるでお子様。
ベッドへ降ろされた時に離れがたくて獄寺さんの服を掴んで引き寄せたけど
「そんな可愛い事しないで下さい」
と耳元で囁いてまた額にキスをしながら俺の手をゆっくりほどいた。
そう言えば、一緒に眠りについた事が…無い…
ふと思った事は、でもすぐにやってきた闇が俺の意識と共に奪っていった。