の強い日に2
最近は獄寺君に勉強を教えてもらっているから、ギリギリな点数だけど放課後の補習に出る事が少なくなった。
だから油断してたのかもしれない。二人きりにならないようにしていたのに。
生徒の大半が下校し、静まり返った教室で緑の目に夕陽が差し込んだあまりの綺麗さに目が離せなかった。
ただただ馬鹿みたいに獄寺君を見上げていたんだ。
「大丈夫ですか?十代目…!?」
だから、開いていた窓から突風が滑り込み、いつまで阿呆ずらさらしてやがる。と、どこかのヒットマンの声がしそうなほどのタイミングで目に微痛が走った。
心配そうに顔を覗きこんできた獄寺君に、ゴミの入らなかった左目だけを不器用に開けて少しの嘘をつく。
「何か入ったみたい。少し痛いけど、大丈夫だよ」
俺の嘘など瞬時に見破る君。
それを知っているから嘘をつく俺。
「…じゅ…十代目…ここからなら、俺の家の方が近いので…お顔を洗って…行かれますか?」
いつでも誰にでも強気な君なのに、こと俺に関しては選択を委ねる。
「十代目に学校のトイレでお顔を洗わせるわけいきませんし…」とぶつぶつ言っている君を盗み見る…
ねぇ、もっと強引に奪ってくれていいんだよ?
…それとも、俺は大きな勘違いをしているの?
強引に奪って欲しいと思うのに、強引に奪うことは出来ないずるい俺。
これじゃあいつまでたってもダメツナらしく平行線。それに、きっと獄寺君は「ボンゴレの右腕」に捕らわれているから動かない。
十代目、なんて呼ばれたくない。でも、悔しいけど、その状況だから巡り会った俺たち。
だけど、我慢していたけど…
もぅ出来ないよ。ねぇ、獄寺君。
だから俺から一歩踏み出そう。
あぁ、膝が少し笑ってる。
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短編なのに続きそうなかほりが(汗
今のところ続きません。。。
2010.03.10