んな日にも 37












頭の中がこの前と同じようにぐちゃぐちゃしてきた。どうしよう…


あ、この前と同じってことは…俺って無意識にずっと獄寺さんの事…


好き…だったんだ。



からかわれて気付くなんて、告白もしてないのに振られた気分。
獄寺さんに握られてた手がアツイ。

膝の上でぐっと握ると振動が不快だったのか、瓜がピクンと耳を立ててこちらを見た。


「あ、ごめっ……ふっ…」
声を出した途端に鼻がツンッとして、いっきに目に涙が溜まった。喋ったら駄目だ!!もうすぐ獄寺さんが戻ってくるはず。


「沢田さん、ジュースでよかっ…」
案の定獄寺さんは直ぐに戻って来て俺の異変に気付き慌ててテーブルにカップを置いて俺に駆け寄った。
情けない。男がこんな風にメソメソするなんて。余計に涙が溢れてきてしまってどうしようもない。顔を上げられずに下を向いたままぎゅっと目を瞑る。引っ込めよ涙!!


「沢田さん!どうされたんですか?何処か痛いんですか!?」
…痛いと言うなら確かに心臓がもの凄くいたい。獄寺さんが手を伸ばせば届く位置まで近づく気配がしてビクンッと肩を揺らしたその時


ニ゙ャー!!!!


「いってぇな瓜!!」
声に驚いて目をうっすら開けると、瓜が膝の上に立ち獄寺さんを威嚇していた。獄寺さんは手をひっかかれたのだろう、押さえてる手の辺りだけ見え、その手が素早く瓜を掴み上げた。
驚いて瓜を追って思わず顔を上げる。
そこには瓜を自分の顔の位置まで持ち上げて怒ってる獄寺さんがいた。

怒ってる獄寺さんに驚いたけど、瓜は多分俺を守ろうとしてくれたと思うから、放っては置けない。


「っぁ…あの…」

「っ!!沢田さん!!」


目には涙が溜まったままでまともに声は出なかったのに獄寺さんは弾かれたように瓜を離して俺の目線に合わせて膝を着いた。
どうしようもなく嬉しいから…余計に苦しい。


「おっ俺、ヒック…ケホッ…」

「あぁ、無理に話さなくて大丈夫ですよ。今、飲み物を持って来ますからね?」


しゃくりを上げて上手く話せない俺に獄寺さんはテーブルに置いたカップを渡し、ソファーの俺の隣に座り背中をゆっくりさすってくれる。


「ひっかかれたりしたなら傷を見せて下さい」
獄寺さんの温かい手と、喉を潤すジュースのおかげで少し落ち着いてきたから、獄寺さんの言葉に首を振って話し始めた。










ー37ー



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