風 | ナノ

の強い日に










「…いたっ……!!」


「っ!?…十代目!?」



目に何かが入り、痛くて目を瞑り俯いた俺に、手をさしだしたけど一瞬のためらいのうちにその手は俺に触れることなく下ろされ、戸惑いと葛藤の気配を感じる。


それが今の俺と獄寺君の物理的であり

精神的な距離。



この風は敵なのか、見方なのか。


さぁ、見えなくなったこの目で
見定めようか。




そんなふうに自分を奮い立たせた。


そんな



風のつよい日。






ー01ー

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