ハンプダンプ1
まずはハンプダンプの短編からからどうぞ(・∀・)ノ
イシュアとサデスの過去編です。2人がなぜ戦争に行くことになったのか。
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「イシュアの馬鹿っ!」
サデスは目にいっぱいの涙を貯めながら俺の可愛いほっぺたをひっぱたいた。
手首のスナップが効いたビンタはかなり痛くて俺は泣きそうになった。
「なんでぶつんだよ!」
「君がとんでもなく馬鹿で阿呆だからだよ!」
俺がサデスを睨むと、サデスはとても失礼なことをいいながら走って逃げてしまった。
右ほっぺたのジンジンとする痛みのせいで追いかける気にはならなかった。
「サデスのほうが馬鹿だ! ばーか!」
だけど言われっぱなしのぶたれっぱなしはムカついたから、サデスの後ろ姿に向かって思い切り叫んだ。
俺は川に降りて行き、浅い水底の冷えた石を拾ってほっぺたを冷やした。早くよくなーれ。
「ちぇ、あんな怒ることねぇじゃん…」
俺はぼそりと呟いて足でバシャリと川の水をかき回した。
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「……兵隊?」
「うん、今日手紙が届いた。2週間後には出発する」
サデスが明るく言うもんだから俺はいまいち何を言われたのか分かんなかった。
サデスが兵隊に?
「でも、サデスは病気があるし」
「……検査でギリギリ問題なしだって。人手不足なんだよ。だから僕みたいのも集められる」
「でも、でも、サデス18になったばっかじゃん」
「もう18なんだよ」
ふ、と微笑むサデスはどこか諦めてしまったような顔だった。
「………ダメ! 絶対いっちゃダメだかんな!」
俺はサデスの肩をガシッと掴んで叫んだ。
「戦争なんか行ったらサデス可愛いから捕虜にされて慰み者にされちゃうぞ! へへっ、肉便器のくせに感じてるのか? ここがいいのか変態め! とか言われてアヘアヘになっちゃうんだぞ!」
「………何言ってんの?」
「それかそれか、黙って俺の言うことを聞け! あ、やめて下さいっ軍曹っあっあっいやああ! みたいなことになる! 絶対! サデス可愛いから!」
リアリティーたっぷりに実演して肩をはだけさせてやってみたけど、サデスは馬鹿にしたような目で俺を見てくる。
「……そんなことになるわけないでしょイシュア」
「いんや! なるね! 風呂とか共同で入った時とか、えあいつ男のくせに肌白くね……? とか言ってみんなでサデスを襲うとかなるから!」
「…イシュア」
「だから、だから絶対そんなとこ行っちゃダメ!」
年下パワー全開で、上目遣いにサデスに懇願する。どうだ、効いたか……!?
「………僕だって行きたくないけど、無理だよ。義務なんだから」
「………馬鹿馬鹿! じゃあ白濁まみれになってもいいんだな!? ちんこくわえさせられてもいいんだな!? ハアハアサデスきゅんの下のお口僕のおちんちん美味しそうに飲み込んでるね、とかキモいオッサンに言われてもいいんだな!?」
「いや……良くないけど。でも無理だよ」
上目遣いは効かなかった。
ムカつく、ムカつく。俺がこんなに頼んでるのに!
「サデスの馬鹿! もう知らねえ! 中年おやじのちんこでも舐めてろ!」
「イシュア! 待って!」
サデスの制止を聞かず俺は走り去った。
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