マッチ売りの少年1

マッチ売りの少年

「そこの兄ちゃん!マッチはいらねぇかい?」
「いや、いらな」
「そうか!買ってくか!」
「え、いらな」
「10箱で1000ピコだ。ありがとよ!」
「………はい」

マッチ売りの少年、ルートは今日もマッチを売り続けます。
詐欺だ、犯罪だ、と誰かが陰で言いますがなにしろルートは恐ろしいほどの美形で、凄むと迫力があり皆怖くて面と向かっては何も言えません。
だけど、稀に勇気ある人がいます。

「貴様、押し売りという言葉を知っているか」
「んだよ」
「私はここ一帯でマッチの押し売り事件が多発していると聞きやってきた者だ」
「ちっ…。めんどくさい奴がきたか」

そう、地域の治安を守るための兵士がやってきたのです。
兵士達は強く、さすがにルートでも敵いません。

「しかし……これほどの美形だとはな…」
「ん、あぁ。あんたもか…。黙っていてくれりゃあサービスするぜ?」
「うむ。上には報告しないでおこう」
「ありがとよ。名前は?」
「イーリーだ」
「そう、俺はルート」

やってくる兵士達は皆ルートの顔を見ると驚き、ルートにとあるサービスをしてもらおうと捕まえるのをやめてルートの家へと入って行きます。

「さてと。イーリー、服脱げよ」
「あぁ」

薄暗い部屋の中で二人は服を脱ぎ、重なり合っていきます。

「んっ!あぁ…くぅ…!」
「は…聞いてた、通りの、少年だな」
「あっ!…ん…ど、んな?」
「最高な、天国を…見せてくれる、って!」
「うぁ!あっあっ!く…!」

ルートに出会えば天国を見られる、そういう噂が兵士の間には流れていました。
なにしろルートのサービスを受けた兵士達は皆骨抜きにされて、ルートに夢中になっていました。
イーリーはルートと肌を重ね、その意味が分かりました。ルートは酷く官能的でそそるものがあり、イーリーを凄く興奮させるのです。


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