一万ヒット記念7

(…ニリアのところへ行こう!)

 このまま剣術を失敗してニリアの信用が落ちたら大変だ、ユーシスは席を立ちニリアの元へと向かおうとする。

「あれ、ニリア様ぁ。どちらへぇ?」
「あ、え、と、トイレ!あはは」

 もうすぐ授業が始まりますよ?と声をかける生徒を笑ってごまかしユーシスは教室を出た。
 足早にニリアの元へ行こうとするが、やはり廊下にいる周りの生徒達の視線を浴びてしまう。

(うーん、遠回りするかぁ…)

 人通りの少ないところを通ってどうにかニリアにコンタクトをとるしかない、そうユーシスは思った。
 ユーシスは足を止め回れ右をして人の少ない廊下を通り迂回し始める。


*******


 図書室、資料室。足早に過ぎていく教室には誰もいない。
 生徒達に引き止められることもなく不振な目で見られることもなく、ユーシスはずんずんと歩いていく。
 だが、もう後少しでニリアの教室につくというところでユーシスは生徒に話しかけられた。

「あ、あれ?あるぇー? シュンミ様じゃないですかぁ!」

 髪はボサボサで眼鏡をかけた生徒だ。

「こんなところで何をしてるんすかー?」
「あ、トイレに行こうかと…」
「えー? こんな教室から離れたトイレにわざわざぁ?」

 ニヤニヤと笑いながら近付いてくる生徒にユーシスは嫌悪を感じ、思わず後ずさる。

「わた、俺、もう行くから」
「あー俺もトイレ行こうと思ってたんすよぉ! 一緒に行きましょうー! 連れション! 連れション!」
「う、うん」

 トイレに行くと言った手前行かないわけにはいかない。ユーシスは肩に回された男の腕を払うことも出来ず渋々ついていく。



[*prev] [next#]
[back]
[しおりを挟む]


「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -