一万ヒット記念6

ニリアside

「あ」

 ユーシスと別れ、教室に着いた瞬間俺は大事な事を思い出した。
 ユーシスは選択科目にて回復魔法習得を取っている。そして、今日はその回復魔法習得の日だ。
 絶体絶命だ。俺は回復魔法が全くと言っていいほど出来ない。ユーシスは回復魔法が得意だから、もし上手く出来なかったら不振に思われるだろう。
 どうしよう、このままだと…

********


『では、キリクボート君。皆にお手本を見せてくれるかい?』
『………』
『キリクボート君? どうしたの?』
『い、いえ。………』プシュー…
『あ、あれ? 調子悪いの?』
『いえ、その……』プシュー…プシュー…

『なにあれ……ユーシス様可笑しくない?』ヒソヒソ
『魔法がちゃんと発動されてないじゃん』ヒソヒソ
『うわぁなんか格好悪い…』ヒソヒソ
『てか、プシュー、って(笑)』ヒソヒソ

『あ………』
『キ、キリクボート君もういいよ! 調子悪かったんだね? 気付かなくてごめんね』
『あ、いえ、その』
『もういいよ、もういいよ。じゃあ変わりにカンペキダ君やってくれるかい?』
『はい、任せて下さい。フンッ!』パアァァ

『わー! カンペキダ君すごーい!』ヒソヒソ
『それに比べて…』ヒソヒソ
『もういっそカンペキダ君が会長でいいんじゃね?』ヒソヒソ

『ち、違うっ! 俺は、俺は……』エグエグ

*******


 なんて事になってしまうかもしれない…!
 そんな、そんなことになればユーシスは俺のせいで皆に馬鹿にされてしまう!
 ああ、どうしよう!このままだとユーシスが辛い目に…!

ニリアside終わり



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