13

「なんでケツ触るんだよ!」
「いたい!」

 思わずベシッと裕也の手をはたき落とすと、え? という顔をして裕也がこっちを見た。
 え?

「え、ま、真知ちゃん?」
「え?」
「あたしとエッチするんだよね?」
「う、うん……する」

 裕也がそう聞いてくる。
 今更何を……照れるじゃないか。俺はちょっと顔が熱くなった。

「じゃあ………」
「だからなんでケツ触るんだよ!」
「え?」
「え、じゃねぇよ」

 またもや、そろりとケツに伸びてきた裕也の手をはたき落とす。
 なんで鳩が豆鉄砲食らったような顔してるんだ。


*****


裕也side

 なんていうことでしょう。

「裕也はその……心が女だろ…? だからケツに触るのは俺であって、お前じゃないと思うんだけど」
「え、あ、ま、真知ちゃん…」

 どこか言いにくそうに真知ちゃんは言う。
 いや、あの、確かに訂正しなかったオレも悪いけど盛大な勘違いをしている。いや、でもその勘違いのおかげで真知ちゃんはオレと付き合ってくれたんだし…

「大丈夫、俺、優しくするから……」
「え、あ、ちょ……」

 真知ちゃんは微笑んでオレを優しく抱き締める。え、あの、乳首だけであんなに喘いでたのに突っ込む気満々なんですか!
 あれ、なんかお風呂マットにオレ押し倒されてる。え、オレ身長186もある大男よ? 真知ちゃんマジで? マジなの? マジでオレに突っ込みたいの? いや、それだけ愛してくれてるのかと思うと凄い嬉しいけども。

「裕也……」
「真知ちゃん…」

 あ、でも見つめてくる真知ちゃんの瞳はやっぱり素敵。
 真知ちゃんになら抱かれても……なんて。
 いや、でもやっぱりちょっと待った。ちょっとタンマ。どうにかしないと。

裕也side終わり



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