10
「やっ、葛西、だめっ」
「裕也だってば」
「ゆーやっ、胸、い、や」
俺、そんなことされたことないから慌てて胸から葛西を引きはなそうとした。でも、葛西は俺の腰がっちり掴んでて離れてくれない。
「大丈夫、すーぐ気持ち良くなるから」
「あ…そ、れ、へんっ、っつ!」
歯で優しく乳首を噛まれて、体にビビ! って電流が走った。思わず腰が揺れて、葛西のお腹に当たった。
「あっあっ、な、んか、きもち、かも…」
「でーしょ?」
「う、ん、はぁっんっん!」
胸の刺激に酔っていると、の腰を掴んでいた葛西の片手が離れ、ズボンへと向かう。俺はここがカラオケだと言うことも忘れ、されるがままになった。
「もう濡れてる」
「ん、早くっ!」
透明な汁を垂らす、俺のぺニスを見てクスッと葛西が笑った。ちょん、と軽く触られただけじゃもの足りず俺は自ら葛西の手にぺニスを擦り付けた。
「まだだめ」
「な、んで? 俺、出したいっ」
「今日はこっちを──」
葛西が俺を焦らして、お尻の穴に触った時。
「大変お待たせしました。烏龍茶3つでござ………」
頼んでいたことすら忘れていた烏龍茶がやってきた。
******
「真知ちゃん、美味しい?」
「………」
「ほ、ほら中トロよ?」
「………」
「ま、真知君大トロもあるよ!」
あの後、驚く店員さんに慌てて詫びた。逃げるように会計をすると店内でああいうことはしないで下さいってお姉さんに言われた。俺はもう恥ずかしくて恥ずかしくてあのカラオケには二度といけない。
「ウニ」
「は、はーい♪ おじさぁん、ウニくださぁい」
そして今は三人で寿司屋にいる。カラオケから出て一言も喋らずむっつりとする俺を葛西達が「あっ、そ、そういえば真知ちゃんはお寿司が食べたかったのよねっ」「そ、そうなんだぁ! お、俺美味しいとこ知ってるよっ」「まぁ、ひろみ、じゃあそこにいきましょっ」と言って連れてこられた。
……そもそもは葛西があんなとこで俺にキスをし始めたからだ。葛西がキスしなかったら結果的に恥をかくこともなかったはず。そしてそれを止めなかったひろみ君も悪い。だから俺は黙々と寿司を頬張り、葛西達を無視した。
「真知ちゃあん、機嫌直してぇ」
「甘エビ」
「……おじさん」
「はい、甘エビね」
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