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食事の仕方とか礼儀作法とか、俺にとっちゃどーでもいいことをキャシルたんは教えてくる。
間違えるたびにピシッと棒で手を叩いてくるんだけど、正解すると飴を一つくれるからそのギャップがたまらない。ちくしょう、押し倒したいぜ。
誰かさんと同じドエスだけど、こっちのほうが100万倍いいね。
「………なに調子乗ってるの?」
キャシルたんにデレデレしてたら、机の下の足をグリグリされながら金武君に囁かれた。
「またそんなみっともない顔してごらん。お仕置きしてあげるから」
ひぃぃぃぃ!
恐ろしや、恐ろしや。金武君はやるって言ったら必ずやる奴だ。
奴がお仕置きするって言ったら必ずされる。
き、きっと久しぶりだからキツイのがくるぞ。ちんこ縛ったままオナホつけられてベランダに放置とか、バイブ入れながらお散歩とか……
て、待てよ。
ここにはオナホもなければベランダもバイブもない。
何より自由がない。
金武君の好きにはできないんじゃ?
てことは、俺なぁんにも怖がらなくてもいいんじゃない?
「……す、すれば?」
「は?」
「や、やれるもんならやってみな!」
思いきって言ってみれば、金武君はポカン顔。
ふはははは! なんかすごいすっきりしたぜ!
「こら、喋ってないで集中しろ」
「はーい! キャシルたん!」
キャシルたんに注意され、勉強に戻る。
うふ、うふふふふ!
なんだかとっても気分が良いわ!
「………そう。僕にそんな口訊くんだ。よぉく分かったよ。楽しみにしてなね」
……な、なんだかとっても気分が良い、いや! やばい、隣からの殺気が強すぎる。かなりやばい。やばいやばいやばいやばい!
俺、早まってしまったかもしれない。
神様、俺を助けて下さい。アーメン。
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