倍返しだ!3
一見、俺はちょっとかわいい女の子。まさかその正体が天才美少年三郎君とはわかるまい。
アシュラきゅん逹はどこにいるのかしら。
二人を探していると、早速木陰で談笑する二人を見つけた。
「こんにちは」
うふ、とちょっと可愛い声を作って笑いかける。
「暑いですねぇ。私もそこで涼んでも?」
「え、あぁ。……構わない」
サブ子の色気を二人に感じさせたいので、首筋をパタパタ手で扇ぎながら横目でちらり。
キャー! セクシー!
二人をちらっと見るとポカンと口を開けている。
あんまり俺が色っぽいんで驚いちゃってるんだな、ふはは!
「くふっ」
思わず笑いがこぼれてしまい、慌てて手で口を押さえる。
「ね、ねぇ、あんた…」
と、ショーヤ君に話しかけられる。なあに、ぼうや。お姉さんがあんまり綺麗だからびっくりした? でもお姉さん、実はぼうやが馬鹿にしたオカマなんだよ! はははは!
「サブローだよね?」
はい?
「だから、あんた。サブローだよね?」
笑いをこらえるような顔をして言うショーヤちゃん。
「き、キエェェェェェ!!」
恥ずかしさのあまり、俺は奇声をあげてその場から逃げた。
******
「………」
小屋の裏に隠れた俺は、体育座りをして、膝に頭を埋める。
いつからばれてたのかしら。最初からかな。
てっきりばれないだろうと思っていたのに、あっさりばれてしまって恥ずかしい。
サブ子になりきってた自分を思い出すだけで死にたくなる。
もしかしたらクーナさんも、あんまり俺の女装が変なもんだからびっくりしていたのかもしれない。
もうやだ……死にたい。
「サブロー?」
と、上から声がした。
びくっとなって顔をあげるとショーヤちゃんとアシュラちゃん。
「何してるの?」
「……別に」
顔を見られたくなくて下を向く。
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