倍返しだ!
ちょっと女言葉を使ったら、ショーヤちゃんとアシュラちゃんがオカマ野郎と俺のことを言った。
俺は差別だぞと怒ったけど、ショーヤちゃんは「やーいやーいオカマオカマ!」と言うし、アシュラちゃんは「お前が男好きなのは本当だろう、オカマ」なんて言った。
酷い。オカマのどこが悪いんだ! 俺はオカマじゃないけど、オカマを馬鹿にするなんて最低だ!
罰として金たまモミモミマッサージをしてやろうかと思ったけど、それじゃあご褒美になっちゃう。
だから俺は考えた!
そして思い付いた。今までにない名案を!
******
「クーナきゅんきゅん」
「………なあに?」
隣に座るクーナさんに甘えた声で話しかけると、胡散臭そうな目で見られた。いやん。
「あのねぇ、サブ子ねぇ、お小遣いが欲しいなぁ?」
「……何に使うの?」
「やぁだ、パパにはひ、み、つ! うふ、おねがぁい!」
どうだ!? 必殺パトロンのパパにお小遣いをねだるホステスを使ってみたがどうだ!?
「おねがぁい、パパ。なんならサブ子のことパパの好きにしてくれてもいいよぉ、ベッドの上で! きゃっ、言っちゃった! サブ子はずかしーい!」
「………まぁいいけどさ」
「わっ、パパほんとぉ? うれしーい! じゃあお礼にパパのピンクちんこ舐めてあげ」
「はい! これあげるから今から町行ってきたら!」
ホステスサブ子が効いたのかクーナさんはいくらかのお金を俺に押し付け、すごい勢いで俺から離れた。
そっかそっか。あまりに俺が色っぽいせいで襲いそうになったんだな。だけどなけなしの理性を働かせて俺から離れた。ん? そうだろ。それしかないだろ。ん?
「………あー、気持ち悪かった」
ぼそっと言ったつもりだったんだろうけど聞こえてますよ、クーナさん。
……パパなんか嫌い。
******
ともあれ俺は町にやってきた。
お目当ては化粧品とカツラ。
そうよ、うふ。私、サブ子になるの。
「ねぇねぇそこの綺麗なお姉さん」
だけど店の場所なんか分からない。とりあえず俺は近くにいた大阪のおばちゃんみたいな人に話しかける。
「俺の姉さん病気で髪が抜けちまってさ……。カツラをプレゼントしたいんだけどここらへんに売ってるとこないかな?」
ちょっと目を潤ませれば大阪のおばちゃんは親切に教えてくれた。ありがとな、おばさん!
カツラの店の近くには化粧品も売ってたし、俺はさっさと買い物をすませると草原へと戻って行った。
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