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「やだーなにこの人ーソウいうこと聞くってデリカシーないっていうかー、チョベリバー! サブ子そういう人キラーイアリエナーイ激おこ!」
「……何を言ってるんだ?」
「まじありえなーい! サブ子激おこぷんぷん丸!」
「……どういう意味だ?」
「答えたくねぇっつってんだよ馬鹿」
あーもうやだやだデリカシーない男って本当やぁねぇ。
大体今時あれよ? ギャル語も知らないとダメっすよ?
「殿下を馬鹿にするな!」
「イタッ! お兄さん殴ったぁ! ひどい!」
マジしょんぼり沈殿丸。
殴んなくてもいいじゃん、失礼な質問したの殿下のほうじゃん。
てかなんでそんなこと聞くの。俺のプリティなぷりっぷりの赤ちゃんみたいなお尻が開通済みか未開通かどうかなんてどうでもいいじゃん。
あーもう嫌なこと思い出した……。
*******
「三郎君」
「………あ」
金武君だ。
バレた。逃げようとしたのがバレた。ごまかさなきゃごまかさなきゃ…
「どこいくの?」
「と、トイレ」
「へぇ? でもトイレそっちにないよね?」
「あ、ま、間違えた!」
「ふうん、そうなんだ」
ごまかせた? ごまかせたかな?
金武君はにっこりと笑った。
「三郎君、嘘はダメだよ?」
ダメだった。あぁあぁどうしよう。何されるかな。また変なことされる。
「………かな、たけ君…」
「一弥、でしょ? 本当に三郎君は馬鹿だなぁ」
「ご、ご、ごめ、ごめんなさい……」
また間違えた。あぁまた叱られる。嫌だなぁ。
嫌だなぁ………。
******
「──おい、大丈夫か?」
「え、あぁ、うん」
「そんなに強く叩いたつもりはなかったのだが…」
「いや、大丈夫…」
ちょっとぼうっとしたせいかお兄さんに心配された。
大丈夫、大丈夫よ…
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