12
──くんお…て…
──…ろーくん起きて…
──サブロー君、起きて…!
「………ん」
「サブロー君!」
「んあ……クーナさん」
「ああ、良かった。なかなか目が覚めないから心配したんだよ?」
なんだか呼ばれている気がして目を開けると、そこには涙目のクーナさんがいた。可愛い。
「あれ…? 俺何してたんだっけ?」
体を起こして周りを見渡すと、ベッドには日が射していて朝方のようだ。俺いつ寝たっけ?
疑問に思って昨日の夜のことを思い出してみる。
「クーナさんが…筋肉バカ逹に……襲われていたような…」
「あの人たちはもう帰ったよ、だから大丈夫」
「え、でも……」
安心して、と笑顔で微笑むクーナさんになぜか少しの違和感を感じる。確か、誰か他にいたような…。うーん、と俺は頭を捻る。
ゆっくりと昨日の事を思い出してみる。クーナさんと争う筋肉バカ逹と声が聞こえて、かけつけて、クーナさんが殴られて、それで俺がなぜか捕まりそうになって…、誰かが助けてくれた。
「あ! ショーちゃんとアシュラちゃんだ!」
そうだそうだ思い出した。思わず俺はポン、と手を叩く。あの二人が筋肉バカ逹を殺して……ここ、殺して!?
「あ、ああああれ!? 筋肉バカ逹血飛沫あげてなかったっけ!? あのまま帰ったの!?」
「………うん、帰ったよ」
「…え、あ、そう。筋肉に守られてるんだね」
「うん、強いんだよ」
さすが筋肉バカ。あんなに血飛沫あげてたのにちゃんと帰ったらしい。凄いね。
「というかサブロー君。ショーちゃんとアシュラちゃん、て? 一体どういうこと?」
あ、あれれ。クーナさんが怒ってるぞ。そうだ、クーナさんには二人とか仲良くなったこと秘密なんだった。
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