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「天神を出せ…ここにいるのは分かってる…隠せばそなたの命…あると思うな…」
「そうか…」
「ど、どういうこと? 俺クーナさんを助けに行かなきゃ!」
「待て! ダメだ!」
「そんなこと言ったって、クーナさんに何かあったらどうすんだよ馬鹿!」

 クーナさんが危ない目に合っているのに何もしないなんて無理!
 クーナさんは俺を拾ってくれた天使様だし、状況がよく分からないけど危ない目に合ってるなら助けなきゃ駄目だろ!
 アシュラちゃんは止めるけど、俺はいてもたってもいられなくて、アシュラちゃんを振り切って母屋へと向かった。


******

 母屋に俺は飛び込んだ。

「クーナさんっ!」
「!」
「ん? なんだこやつは?」

 クーナさんはムキムキマッチョなおじさん3人に取り囲まれていた。やべぇ俺勝てそうにもないよ。

「……客人です」
「ほう? まことか?」
「彼の髪色を見て下さい。あれは月の民です」
「月の奴ら相手に商売しとるのか」
「いえ、時たまに。基本は同郷の者ばかりです」
「そうか」
「ええ」
「嘘をつくな!」

 突然マッチョマンは怒鳴り、クーナさんを殴り飛ばした。
 さらにマッチョマンにクーナさんは壁に叩きつけられてぐったりとした。

「クーナさん! 大丈夫!?」
「天神が黒髪の事など知っておるわ! 月の奴らのふりをさせようたって無駄だ!」
「う…ぐ…」
「クーナさんになにすんだよ! 筋肉バカ!」
「うるさい! おい、こいつを捉えろ!」
「はっ」

 筋肉バカが二人、俺を捕まえようとする。だが、俺だって反撃する。ちんこを思い切り蹴ってやった。ザマアミロ!

「こっちくんな!」
「お前ら何をやっておる! 早く捕まえんか!」
「だからくんなってば!」

 ちんこの痛みから復活した筋肉バカがジリジリと迫ってきていた。



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