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 思わずニヤニヤとだらしがない顔をしてしまうとクーナさんが苦笑しながら「落ちの民は信仰の対象じゃないよ」と教えてくれた。がっかり。

「まあ、普通の人と特に変わりないから」
「そっかあ。ハーレム作る能力とか欲しかったわー」

 もちろん、クーナさんは正妻よん! と、ウィンクをクーナさんに飛ばす。いつもならば、もう! と言われて怒られるはずが……あれ?

「クーナさん、顔赤い」
「さ、さ、サブロー君が悪い!」
「いやん理不尽」

 顔を赤くしたまま台所にクーナさんは逃げていった。


******


 クーナさんの目を盗んで、ショーちゃん達と密会する。まるでロミオとジュリエット。許されない恋…!

「ねーねーショーちゃんの耳触ってもいい?」
「……なんで触りたいの?」

 えっそれはショーちゃんが今まで見てきた美少年の中でもトップレベルの美しさを持っていて、しかも動物大好きだった俺にはその獣耳がたまらないからですぅ。
 前は人間の友達1人もいなかったから動物が友達だったんだよね寂しいね。悲しいね。

「ショーちゃんが可愛いから!」
「ふ、ふーん? じゃ、じゃあ触っても別にいいよ!」

 わーい。
 俺はゆっくりとショーちゃんの綺麗な金色の耳に触れる。

「つるつるふわふわー気持ちいーい」
「そ、そう? えへへ…」

 ショーちゃんが照れた。可愛い食べちゃいたい。ぱっくりもぐもぐしたい。



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