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「お客さん、大丈夫だった?」
「うん。ちゃんとご飯渡せたよ」
「なら良かった」

 にこっと笑ってクーナさんに空になった食器を乗せたお盆を渡す。クーナさんもにこっと笑って受け取ってくれる。わーい。

「あのさ、お客さんはこの草原を越えたいんだよね?」
「うん」
「この草原の向こうには何があるの? 俺達町のほうには行ったけど、反対側には行ってないよね。」
「この草原は国境なんだ。だから向こうには月の民たちがいるんだ」
「ふうん。クーナさんは? どこの国の人?」
「僕? 僕は太陽の民。髪色が明るい人は太陽の民だよ。反対に髪が暗い色は月の民。話す言語とかもちょっと違うんだ」

 へぇ。あれ、でも俺普通にクーナさんやアシュラちゃん達と会話できてるよ。おかしくない?
 眉を潜めて考えているとクーナさんにどうしたの? と聞かれる。

「あのさなんで俺、普通に話せてんの?」
「落ちの民だからだよ。落ちの民は天の落とし物だから、どの国に落ちても困らないようになってるのさ」
「おー…なんか俺天使みたーい」
「そんなようなものかな」

 え、マジで!? じゃ、じゃあさ、崇められちゃう存在なわけ? 俺って。
 道とか歩いてるだけで、周りの人がハハァー! とか言って道にひれ伏しちゃうの!? 可愛い女の子や男の子に抱いてくださいとか言われて迫られちゃうの!?
 しまいにゃどっかの金持ちに見初められてお婿さんになっちゃうのかな。そうなったら俺のちんこ渇く暇もないんじゃないかな。



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テーマ「人外ファンタジー」
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