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 クーナさんは慌ててドアへと向かう。

「は、はーい!」

 …あれ、俺今何か失敗した気がする。クーナさんとちょっと良い感じだったのに。もったいないことしたかな。いやでもどうだろう。もしかしたらクーナさんはそういうつもり無かったのかもしれない。俺の勘違いだったのかもしれない。
 そしてクーナさんがお客さん二人を引き連れて客室へと向かう。俺も慌てて着いていく。
 お客さんは二人ともフードを被って顔を隠していてなんか怪しかった。

「サブロー君、お茶よろしくね!」
「あいあいさー」

 ほっほっほ、お茶入れなんて簡単さ。ぱぱっと終わらせちゃうもんね!
 10分後四苦八苦しながらお茶を入れ、客室へと運ぶ。

「へい、お待たせしましたん」
「あ、お客さん。こちらサブローです。彼はまだ見習いでして何か聞きたいことがあったら私にどうぞ」
「……分かった」

 よ、呼び捨て!?見習い!? と一瞬だけ驚いたけど、あ、そうか、とすぐ気付いた。きっと素性の怪しいものを住まわせてるなんて、知られたら大変なんだよね。
 あれ、でもこのお客様結構怪しいよね。なんか人殺してそうだよねん。

「では、お部屋のほうへ」
「あぁ……」

 あれ、今ちらっと見られたよ。いやん。



*****



「ご飯です」
「わーい!……あ、そ、そこに置いとけ!」

 お客にご飯を持ってきたんだけど、かわいいね。喜んでるね。かわいいね。てか小さい子供だね。

「お客さまーよろしかったらおもちゃなんかありますけど…」

 ちっちゃい子供は好きなので一緒に遊びたい。なので嘘でおびき寄せる。

「わぁ! みたーい!」
「ではこちらへ…」

 クーナさんに怒られようが、ショタに会えるならそれでもう俺は幸せです。
 ほらほら今にドアが開きますよ! ショタが出てきますよ!



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