4
クーナさんは慌ててドアへと向かう。
「は、はーい!」
…あれ、俺今何か失敗した気がする。クーナさんとちょっと良い感じだったのに。もったいないことしたかな。いやでもどうだろう。もしかしたらクーナさんはそういうつもり無かったのかもしれない。俺の勘違いだったのかもしれない。
そしてクーナさんがお客さん二人を引き連れて客室へと向かう。俺も慌てて着いていく。
お客さんは二人ともフードを被って顔を隠していてなんか怪しかった。
「サブロー君、お茶よろしくね!」
「あいあいさー」
ほっほっほ、お茶入れなんて簡単さ。ぱぱっと終わらせちゃうもんね!
10分後四苦八苦しながらお茶を入れ、客室へと運ぶ。
「へい、お待たせしましたん」
「あ、お客さん。こちらサブローです。彼はまだ見習いでして何か聞きたいことがあったら私にどうぞ」
「……分かった」
よ、呼び捨て!?見習い!? と一瞬だけ驚いたけど、あ、そうか、とすぐ気付いた。きっと素性の怪しいものを住まわせてるなんて、知られたら大変なんだよね。
あれ、でもこのお客様結構怪しいよね。なんか人殺してそうだよねん。
「では、お部屋のほうへ」
「あぁ……」
あれ、今ちらっと見られたよ。いやん。
*****
「ご飯です」
「わーい!……あ、そ、そこに置いとけ!」
お客にご飯を持ってきたんだけど、かわいいね。喜んでるね。かわいいね。てか小さい子供だね。
「お客さまーよろしかったらおもちゃなんかありますけど…」
ちっちゃい子供は好きなので一緒に遊びたい。なので嘘でおびき寄せる。
「わぁ! みたーい!」
「ではこちらへ…」
クーナさんに怒られようが、ショタに会えるならそれでもう俺は幸せです。
ほらほら今にドアが開きますよ! ショタが出てきますよ!
[*prev] [next#]
[back]
[しおりを挟む]