3

 朝、ちょっと胸をドキドキしながらベッドから出る。

「あの…おはよう…」
「……うん、おはよう」

 クーナさんはなんかもじもじしてる。まだ怒ってるかな−?
 だったらここは男の俺が謝るべきだよね! あ、クーナさんも生物的には男だけど、なんていうか俺にとっては男っていうより天使だし。

「クーナさん昨日はご」
「ごめんなさい! 失礼な事言って…」

俺の声に被さるようにクーナさんが謝ってきた。クーナさんは涙ぐんでいて俺は凄く焦る。

「、く、クーナさん泣かないで!」
「だ、だって…僕、馬鹿みたいで…」
「え、違うよ! 馬鹿なのは俺!」

 どばとば流れるクーナさんの涙を慌てて拭うけど、クーナさんは泣き止まない。
 ど、どうして泣くの? クーナさんは悪いことしてないのに。
 俺が調子乗ったから悪いのに。

「ち、違うんだ。ぼ、僕自分の気持ちに気付いたんだ」
「え、何」
「僕がいらついたのは、あの時君が平気な顔して、全然、僕とのキスを、気にしてなかったからなんだ」
「ほうほ……う?」
「そ、それで今朝気付いたの。ぼ、僕はサブロー君の事が…」

 うぇいうぇい、ちょっと待ってよ! 焦るよ!
 クーナさんの雰囲気に呑まれてなんも言えないけどちょっと待ってよ!
 これってさ、この流れってさ、まるで恋愛ドラマみたいな…。

「こーんにーちはー!」

 そこで突然子供の声に遮られ、俺達はびくっとする。どうやらお客さんがきたようだ。



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