8
クーナさんと俺は日が暮れる前に町を出て、草原の小屋へと帰った。
今は夕食を食べ終えて、のんびりクーナさんとお茶を飲んでいる。
「いやぁ、クーナさん。今日は楽しかったです」
「はは、そう言って貰えて良かったよ」
「あ、俺実は怪しいお店でこんなの買ったんだ!」
そう言って俺はポケットから一つの瓶を出す。
「…これは?」
「あの、クーナさん肌弱いでしょ? よく荒れてるみたいだから、塗り薬良かったら…。日頃お世話になっているお礼に……っていってもクーナさんのお金で買ったんですけどね」
これをプレゼントして、クーナさんが感動して「お礼に僕とセックスしよ」ていうのがこないかななんて思って買った例のアレです。うふ。
「サブロー君……」
「店員さん、オススメって言ってたしよく効くと思う、わっ!」
俺にギュッとクーナさんが抱き着いてきた。
「く、クーナさん?ど、ど、どうしたの!?」
急に抱きしめられて、なんだか俺は凄く焦ってしまって吃ってしまう。
きっと顔は真っ赤だ。
「サブロー君……」
「は、はいっ!」
クーナさんが、お、俺の顔にて、手を添えてじっと見つめてくる…! なにこれ…! なにこれ!
「僕、君のこと好き」
「え、え、」
「最初はこんな変な子拾ってどうしよう、って思ってた。でも僕今、君を拾って良かったって思った。サブロー君のこと本当に良い子だな、って」
「き、急に! 急に!」
そんなこと言い出すなんて、どうしたんだろう。
なんか、なんか、慣れない…。
あ、もしかしてこれは、これは例のアレのパターン!?
「あ、あの……俺も、クーナさんのこと、好き…だよ?」
「うん、それは知ってる」
「あ、あ、そうだよね! そうだよね! セックスしたい、っていつも言ってるもんね! あははははは!」
でもないか。そんなうまくいかないか。
やだわ、奥様! おほほほほ……。
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