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「これいいなぁ〜。あ、こっちも格好良い!」
「あの、クーナさん?」
「う〜ん、悩むなぁ…」

 次の店でもクーナさんは馬鹿みたいに服を手に取っていく。
 えっちょっと、買い物かごが服だけで1メートルぐらいつみあがってるんですけど。

「買い過ぎじゃないですか」
「あっすいません! お姉さん、こっからここまで全部下さい!」
「……シカトかっ!」

 そうしてクーナさんの買い物は延々と続いていき、やっとクーナさんが満足したのは二時間後だった。


*********


「買い物依存症?」
「うん…」

 喫茶店でお茶を飲み、余りに買い物しすぎじゃなあい? とおそるおそる訪ねるとクーナさんが告白してきた。

「町にいるとどうしても買いたくなっちゃうからあの草原にいるんだ。あそこなら町はそこそこ遠いし、自制できるかなって思って」

 でも一時間で着いたよ。近いよ。
 と思ったのは黙っておく。

「そうなんですか……。なんか、ごめんなさい。俺が町に来たいって言ったから…」
「いいの、謝る必要なんかないよ。僕ちょっとストレス溜まってたから発散する良い機会になったし。たまにしか来ないなら問題はないんだ」
「そっか…よかった」

 そうか、買い物依存症ね。だからあんなに買ってたのね。
 納得だわ。
 でも、クーナさんはちょっと元気なさそうで心配になる。やっぱり気にしてるのかな。俺がなんとかして元気付けなければ!

「クーナさん、よかったら俺なんでもしますから。クーナさんの買い物欲を満たすためなら俺の体、一回1000ギルで売りますよ。セックスしましょう。ちんこ舐めて下さい」
「……ストレスの要因って君のそれが大半なんだけどね」

 クスっと笑いながらクーナさんが言う。よかった、笑ってくれた。
 俺のセクハラって人を元気にする事ができるようだ。わーい。
 あれでも、何気に酷いこと言われた? 気のせい?


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