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 だけどもいきなりそんなこと言われても分からない。落ちの民とか意味分からん。
 …でもこんなに可愛くて優しくて天使みたいなクーナさんが嘘ついてるとは思えないし…。

「……夢だ。これは夢だ」
「…あの?」
「夢だから何しても大丈夫。夢だから」

 そうだこれは夢だ。きっと俺はマンホールから落ちて昏睡状態になり、病院で夢を見ているんだ。
 そうだ夢だ。こんな事が現実で起こるわけがない。
 よし、そうと決まったら。

「クーナさん!」
「は、はい!」
「セックスしてください!」
「……は?」

 クーナさんの手を握りお願いする。
 夢の中だから何しても大丈夫だよね。セックスしてもいいよね。童貞卒業してもいいよね。

「いや、あの」
「大丈夫です! Aカップなのは見れば分かります!」
「僕、男ですよ?」
「……ホモでもいいです! 俺と新境地を開きましょう! ほら、ちんこ見せて!」
「ひぃ! やめて! ていうか僕君の名前も知らないし!」
「あ」

 てへっ俺としたことが自己紹介するのを忘れてたぜ! もうっ三郎君ったらおっちゃめー!
 …ていうかクーナさん男なんだ。随分女っぽい顔だな。僕っ娘かと思ったら本当に男だったんだ。でも可愛いから全然イケるよね!

「金橋三郎! 16歳! 末永くよろしくお願いします!」
「えー…」

 こうして俺はクーナさんと暮らす事になったのであった。
 …夢だよね?



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