9

 それからというもの。コナタはランバルトの顔をまともに見られなくなってしまった。見たとたん、パッとコナタの脳裏に焼き付いた全裸のランバルトが浮かび上がり、恥ずかしくなるのだ。
 当然、ランバルトは突然目を合わせなくなったコナタに戸惑っている。
 コナタもこのままではダメだ、と思いナユタに手紙を書いた。
 ほどなくしてナユタのもとに一通の手紙が届く。

「──ランバルトに裸を見せられてから、ランバルトを見るだけで胸がドキドキして顔が熱くなるんだ。どうすればいいかなぁ? ──……だと?」

 手紙を読み終えたナユタは怒りの形相で手紙をグシャリと握りつぶした。今までコナタからの手紙を大事にファイリングしていたナユタが、だ。

「あの露出狂の変態め! よくも俺の弟に…!」

 すっかりランバルトがコナタにちんこを見せつけたと思ったナユタ。遠い国にいるランバルトに弁明の余地はなかった。
 ナユタは急いで新しい手紙を用意し、返事を書き始めた。

「心配するな、それはきっと拒絶反応だ。お前の心がランバルトを拒否しているんだ。本当なら今すぐ兄ちゃんが助けに行きたいがそれは無理だ。だからもし……─」

*****


「──もしまた裸を見せられたらちんこを蹴れ? うわぁ痛そう」

 思わずコナタは股間を押さえた。想像するだけでちんこが痛くなった。

「兄ちゃん結構過激だなぁ」

 そうコナタは呟く。

「なにが過激なんだ?」
「う、うわぁっ!」

 と、コナタの後ろからランバルトが手紙を覗き込むようにそ言う。コナタは驚いて飛び上がった。

「び、び、びっくりさせんな!」
「え、あぁ、ごめん」

 コナタは手紙を強く抱き締めてそう叫ぶ。
 ランバルトは両手を胸の前に上げながら謝った。



[*prev] [next#]
[back]
[しおりを挟む]



第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -