2

 顔を真っ赤にして怒り始める母親にムーシャは家から抜け出した。

「こら! ムーシャ待ちなさい!」
「いやだ!」

 年上の幼なじみなら優しいし子作りとやらをしてくれるだろう、とムーシャは母親から逃れ幼なじみの家に向かう。

「チェル、チェル」
「ムーシャ? どうした、入れ」

 ムーシャの突然の訪問にも優しく迎えいれてくれるチェル。

「ムーシャどうしたんだ急に」
「母上が怒っているんだ」

 何か大変なことでもあったのかと危惧していたチェルだが、ムーシャの言葉に安心して笑う。

「はは、大丈夫だよ。一体何やって怒らせたんだ?」
「子作りをしたいと言ったんだ」
「……は?」

 チェルはムーシャに聞き返す。
 今なんとムーシャは言ったんだ? 僕の聞き間違いだよなそうにちがいない、とチェルは考えた。

「子作りがしてみたいと言ったんだ」

 どうやらチェルの聞き間違いではないようだ。
 ムーシャの発言にチェルはぴし、と固まる。



[*prev] [next#]
[back]
[しおりを挟む]



第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -