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顔を真っ赤にして怒り始める母親にムーシャは家から抜け出した。
「こら! ムーシャ待ちなさい!」
「いやだ!」
年上の幼なじみなら優しいし子作りとやらをしてくれるだろう、とムーシャは母親から逃れ幼なじみの家に向かう。
「チェル、チェル」
「ムーシャ? どうした、入れ」
ムーシャの突然の訪問にも優しく迎えいれてくれるチェル。
「ムーシャどうしたんだ急に」
「母上が怒っているんだ」
何か大変なことでもあったのかと危惧していたチェルだが、ムーシャの言葉に安心して笑う。
「はは、大丈夫だよ。一体何やって怒らせたんだ?」
「子作りをしたいと言ったんだ」
「……は?」
チェルはムーシャに聞き返す。
今なんとムーシャは言ったんだ? 僕の聞き間違いだよなそうにちがいない、とチェルは考えた。
「子作りがしてみたいと言ったんだ」
どうやらチェルの聞き間違いではないようだ。
ムーシャの発言にチェルはぴし、と固まる。
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