後日談その8

「も、お前と話すことない! お前とは終わりっ!」
「真也、どうして泣いてるんだ? 一緒にいた男にフラれでもしたか?」
「ウザイ! 帰って!」

 ニヤニヤしながら聞いてくるあいつ。なんかこっちに寄ってくるし。
 本当にむかつく。お陰でまた先生のあの顔思い出した。

「フラれてなんか…」

 いない。そう言おうとしたけど、あれ? また目が熱くなった。
 別に先生に惚れてたわけじゃないのに。どうしてあんなに悲しかったんだろう。

「そ〜か、やっぱりなぁ!」

 泣き出した俺を見てあいつはすっごく嬉しそうな顔した。うぜぇ!

「真也ぁ、俺が慰めてやろうかぁ?」
「いらねぇよ! 帰れ!」
「強がんなよ、こういう時は誰かにそばにいてほしいだろ?」

 お前にはいてほしくないけどな。
 あぁ、もうやだ。なんかすっごい下品な笑み浮かべながらこっちに近づくあいつが見える。
 あっ、て思った時は腰に手が回って引き寄せられてた。

「ほら…顔あげろよ」
「いや。離せアホ!」

 なに言ってんのこいつ。
 この状況に、俺はやっと少し頭がシャキッとし密着したあいつの足を蹴る。

「ばっ、強がんなよ!」
「嫌がってんだよ! 離せよ!」
「いてっ、いてっ! つぅ………」

 思いきり脛を蹴ってやるとめっちゃ痛いのか、目に涙を浮かばせてた。ざまぁ!

「ほら、これ以上痛い思いしたくなかったら離せよ。ほら、ほら」
「ぐっ! そ、れでも、真也が家にいれるまで離さない!」
「はああ!? わっ、お前馬鹿やめろ!」

 意地なのかあいつはさらに俺をきつく抱き締めてきて、ぐぐぐっと顔を近づけてきた。
 慌てて俺は手であいつの顔を押さえるけど、あいつの方が体格いいから押されぎみ。

「やめろ! あっちょっ! ひぃぃ!」

 今度は尻に手が回ってきた。両手はこいつの顔押さえるので一杯だし、どうしよう。気持ち悪い。



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テーマ「人外ファンタジー」
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