8
「じゃあ俺は風呂入ってくるな」
「うん分かったー」
食事を終え、ランバルトは風呂に、コナタは学校の宿題をやり始めた。
(う〜ん、わかんねぇ!)
始めたばかりの宿題にコナタはさっそくつまずく。
教科書とにらめっこをしながら一生懸命問題を解こうと頭をひねらせる。
(えっと、ここに5を代入?して・・・そんで・・・そんで)
鉛筆をきつく握りしめながらコナタは考える。
するとそこに石けんを取りにランバルトが風呂から戻ってきた。だが、コナタは宿題に集中しているせいか全く気がつかない。
「なんだ分からないのか?」
「っうわあ! びっくり・・・し」
突然後ろからランバルトに声をかけられたコナタはびっくりして飛び上がる。
そして今度は振り返ってランバルトを見て固まってしまった。
「ななななな! なんで裸なんだよ!」
「え? いや、石けん取りに戻っただけだし」
「うわぁ馬鹿! なんか着ろよ!」
「え、あ、分かったよ!」
顔を真っ赤にして怒り、周りの物を投げ出したコナタに慌ててランバルトはタオルで腰をまいた。
「はい、これでいいか?」
「うっ・・・よくないけど、さっきよりはいい・・・」
「そんなに嫌がることか? 俺イイ体してると思うんだけど」
「そういう問題じゃない!」
自分の腹筋をなでながら言うランバルトにコナタはさらに顔を赤くした。
ナユタは家で裸でうろついたりしなかったから下品だと思うし、ランバルトは男らしい綺麗な体をしていたためコナタは恥ずかしかったのだ。
「はいはい、でどこがわかんないの? 教えてやるよ」
「え、いいの?」
「まかせろ」
そう言ってランバルトはコナタのすぐ横に座る。
自分の腕にぴたっとランバルトが密着し、コナタはなんだかすごく鼓動が早くなるのを感じた。
「と、問い1の問題なんだけど・・・」
「あぁ、よしこれね」
ランバルトの丁寧な解説もすっかり動揺してしまったコナタの耳には入ってこなかった。
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