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 翌日、柔らかい布団でぐっすりと眠ったコナタは元気いっぱいに起床した。
 朝ごはんを食べ終えると、コナタを家から出し散歩させ、ナユタとランバルトは二人で話しをした。

「さて、大体の話しは手紙で分かったが詳しい話しを聞こうか」
「あぁ、実は俺は船に乗って南の国に出稼ぎに行く事になったんだ」

 ナユタはランバルトに詳しい事情を話した。
 ランバルトは話しを聞いて眉をひそめた。

「今、南の国に行くのは危ないんじゃないか? なんでも向こうでは内戦が起こってるそうじゃないか」
「あぁ。確かに危険なんだ。だが代わりにたんまりと金が貰える」

 ナユタも険しい表情で話した。ターランから遥か遠くの南の国は治安が悪くとても安全な国とはいえない。

「……そんなに金が必要なのか? 村の暮らしならそこまで金はいらないだろう」
「………実はコナタを町の学校に行かせたいんだ」
「……学校か。それは金がかかるな……」

 ナユタたちの暮らす村には学校がないため、学校に行くとなると町まで通わないといけない。都会の学校は教育費が高い上に交通費もかなりかかる。大金が必要だった。

「でも、お前に何かあったら学校も何もないだろう。もっと安全な仕事を…」
「コナタを学校に行かすには今しかないんだ。今、あの仕事とほど賃金の高い仕事はないしこの先見つかるとも分からない」

 ナユタは必死だった。弟がこれから生きていくためには学校に行かせることが必要だった。学校に行けばまともな仕事につける。
 もしも自分に何かあったら。ナユタはそれを考えるだけで身震いした。いつまでも兄弟二人だけではいられない。ナユタはコナタの未来を考えていた。
 ランバルトはナユタの真剣な眼差しに、ナユタの本気を悟った。ナユタが十五の頃、二人は出会いそれ以来友として今までやってきた。ランバルトはこの友のために一肌脱いでやろう、と決めた。

「………分かった。ナユタが急に手紙で、弟を預かってくれと言ってきたのは驚いたがそういう訳なら仕方あるまい。ただし、無事で帰れよ」
「ランバルト、助かるよ。ありがとう」

 ナユタはひたすらランバルトに感謝した。
 しばらくすると手にたんまりお菓子を抱えたコナタが帰ってきた。

「ただいまー! 兄ちゃんそこで綺麗なお姉さんたちにお菓子貰った!」

 ナユタとランバルトは笑ってコナタからお菓子を受け取った。



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