後日談その3
今日は駅前のカプセルホテルに泊まることにした。ちくしょう、あいつのせいで無駄な出費だ。
しかも明日もあいつは家にいそうな雰囲気だし、もしかしたら引っ越しを考えたほうがいいかもしれない。いや、とりあえずまた明日考えよう。今日はもう寝よう俺は疲れてる。
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「おはようございます」
「おー、おはよう。お、棚森なんだお前、昨日はお楽しみかー?」
ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべて先輩は俺を見る。
いや、本当、これ普通の時だったらなんとも思わないんだけど、今滅茶苦茶に疲れてるせいかすっごくムカついた。
大体出版社なんて徹夜よくあるだろうが。昨日と同じ服着てるからってゲスな妄想しやがって……
「違います」
「お、おぅ。なんだよ、そんな怖い顔すんなよ。あ、そうだまた清水先生から連絡あったぞ。来て欲しいって」
だからあの馬鹿作家! 直接俺に連絡しろと何回言ったことか。本当馬鹿。
「…じゃあ今からいってきます」
「おー、いってらっしゃい」
ちくしょう、手間取らせやがって。
みんな嫌なやつばっか。
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ピンポンピンポンピンポンピンポン。ムカつくから嫌がらせのようにインターホン連打。
「だ、誰!?」
「先生、棚森です」
「あっまぁくんかぁ! 今開けますね!」
ピンポン連打したにも関わらず先生は笑顔で俺を出迎えてくれた。
あぁ癒され………ない。
「なんかご用があるって聞いたんですけど」
「あ、うん。まぁ入って入って!」
早く帰りたいのに先生は用件を言わずに俺をリビングへと引っ張る。
お、八つ橋があるじゃねえか。気が利くな! ま、これ俺が先生に買ったんだけど。
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