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 真田に告白されたその日から俺の人生は変わったといっても過言ではない。
 気が付いたら俺は真田と寮が同室になって、気が付いたら同じクラスの隣の席になって、気が付いたら真田と一緒にお風呂に入ることになっていた。

「よしくん、お休みのチュー」
「あー、はい、チュー……」
「うふふふ、お休みなさぁい」

 はいお休みなさい。毎晩真田の頬っぺたにキス。一年前からだ。
 ………どうしてこうなった? 毎度毎度そう思う。俺はあいつに振り回されっぱなしだ。
 周りの人間には「美人なんだからいいじゃん」とか「むしろラッキー」とか言われる。確かに真田は見た目は綺麗だ。だが、中身がヤバい。あれは普通じゃない。
 しかし二年もこう付きまとわれたら、俺だって人の子だ。情も湧く。
 だから真田が普通になってくれれば、俺だって、俺だって……


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「つまり真田の事が好きになったけど、今更優しくすることができずつっけんどんになってしまう。こーいうこと?」
「……まぁ、うん。そんな感じ」

 目の前の会長の椎名とは親父の金たまにいた頃からの知り合いだから、なんでも話す。仲良いのよ。

「とりあえず昼食俺と食べないで、真田と食べたら?」
「そー、だね」
「あいつまたお前の事探してんじゃない?」
「………行ってくるわ」

 昨日のトイレでの真田を思い出した。早く教室に行こう。
 慌てて俺は生徒会室を出た。

「……よしくん?」

 背筋がぞわぁっとした。振り替えるとお弁当を持った真田がにっこり笑っていた。

「あ、ご、ごめん。今、教室行こうと…」
「仕事が長引いた?」
「うん、そう。そうなの」
「そっかぁ。じゃあ教室行こう?」

 手を差し出されて迷った。いつもなら嫌だって言って断る。でも俺ついさっき、真田と仲良くなろうと誓ったばかり。ここは手を繋ぐべきだよね。

「ん…」
「………わぁ」

 おずおずと手を差し出すと真田が嬉しそうに声を上げた。俺は恥ずかしくて下を向いた。
 やっぱりやめときゃ良かったかも。凄い恥ずかしい。でも………なんか真田が凄い嬉しそうだからいいか。



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