お土産ありがとう

 偉大なるお姉たまへ

 お姉たまと離れて早一年。学校にも随分慣れたよ。この前は沖縄土産を送ってくれてありがとう。ちんすこう美味しいよね。正直言えば家族旅行なのに僕を誘ってくれなかったお姉たまとママとパパに激しい疑問を抱かないでもないけど、ちんすこうが美味しかったから追及するのはやめておくよ。
 さて、お姉たまが僕を全寮制の男子校に入れてから僕には色んなことがあったよ。お姉たまが望むようなボーイズラブな学校生活だ。よくあんな学校見つけられたよね。ある意味ちょっと尊敬しちゃう。
 この前の手紙に書いた後輩の木川の事覚えてるかな? まあ、お姉たまが忘れるはずないよね。彼、もう僕にメロメロ。お姉たまが新しいボーイズラブの本を読んでいる時のような、うっとりした顔さて僕を見てくるんだよね。もうなんかまいっちゃうよ。
 お姉たまが僕に仕込んだ、「男を夢中にさせる10の法則」これはもうやばいね。これどうやって考えたの? ソノ気なんかない木川を簡単に落としちゃったよ。全く僕にもソノ気はないんだけどね。毎日迫ってくる木川をどう回避しようか困っているよ。お姉たまどうしてくれるの?
 この前なんかさ、お姉たまに教えられた手料理を披露してやったのよ。そしたら木川いきなり号泣。僕、もうびっくりしちゃったよ。お姉たまが僕をこの学校に入れるって言った時よりびっくりしたね。
 彼、お母さんが小さい頃亡くなってて、父親が料理できないから手料理ってものを食べたことなかったんだって。だから初めて手料理を食べて感動したらしいよ。僕なんか彼が可哀想になってしばらく料理してあげてたんだけど、その事今ちょっと後悔してたりする。だって彼ったら「君の事が食べたい」なんて言い出したんだもん。いや、僕だって過去に数々の女の子と付き合って色々愛は囁いてきたけどさ、あんなクサイ事は言えないよ。彼、やっぱりちょっと変わってる。
 でもさずっと一緒にいると情ってモノが沸いてきちゃうんだよね。だから僕、木川にぶちゅっとやられちゃった時もぶすって貫かれちゃった時もため息一つついただけでこれといった抵抗しなかった。これがお姉たまのいう恋なのかしら? そんなことないと思うけど。
 さて、やっと本題の話しだけどお姉たま、僕春休みはそちらに帰るつもりです。久しぶりにパパとママにも会いたいしね。後ね、実は木川も一緒に来たいって言ってるんだよ。なんか挨拶したいらしいんだ。僕が良くお姉たまの話しをするからかなぁ。まあ木川もお姉たまと会えば来なきゃ良かったって思うかもね。
 もっと色々書きたい話しはあるけど、今も木川が隣で煩いからこれくらいでやめときます。また今度電話するね。

 貴方の可愛い弟より。

P・S 次の旅行には誘ってね。



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