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なんかサデスかっこいいんだけど! 眼鏡が超似合ってる! さすが俺の幼なじみだな!
本当だったら今すぐサデスに抱きついて「会いたかったで!」って言って感動の再会をしたいんだけど、赤ん坊だからできない。悔しい…!
「あうー! あうー!」
「はーい、こんにちはー」
「あばーばーう!」
「あははは、元気ですね」
暴れる俺をサデスはにこにこ笑ってほっぺをつんつんしてくれた。
やだその笑顔…! サデス可愛い!
俺だよ、サデス! お前の愛しいイシュアだよ…
「あうーあうー!」
「お母さん、お父さん、特に身体に問題はないようです。あまり心配しないで大丈夫ですよ。ただ、また気になることがありましたらお越しください」
「はい、分かりました。ありがとうございました」
「あーあーあー!」
診察が終わったのでパパンとママンは俺を抱き上げて診察室を出ようとする。
サデスとまだ一緒にいたくてギャーギャー泣きわめいてみたけど無駄でした。笑顔のサデスに手を振られて、涙でぐしゃぐしゃの俺は診察室を出た。
******
少し成長し、自由に身体が動くようになると俺はサデスに会いたい一心で怪我をしまくった。
そんな俺を新しい両親は「ユリシアはやんちゃだねぇ」と微笑ましくみてくれた。なんて優しいの…!
「サデス、足怪我したー」
「またかい?」
「うん!」
笑顔で言う俺に「なんで嬉しそうなのさ」と笑いながらサデスは足の怪我を診てくれる。
すると俺の足をみるために屈んだサデスの、胸元からペンダントが出てきた。服の中に入れていたのだろうペンダント。そのペンダントには見覚えがあった。
「サデス、それ…」
「ん?、ああ。いつもはつけてないんだけどね、これ」
「……うん」
俺が死ぬ前にサデスのために買ったペンダントだった。
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