5
「うわー、やめろー」
「いいではないか、いいではないか!」
俺のTシャツの中に中田が入りこみ胸元に中田の頭がくる。
「ぐぇっへっへ、くすぐ、ったい!」
「ふははは! いいではないか、いいではないか!」
「ぐぇっへっへ、ぐぇっへっへ!」
「乳首攻撃!」
「ぐわああ! 痛え! 引っ張るな!」
「こちょこちょ〜!」
「ぎゃあはっはっはっは!」
酔っぱらって何がなんだか分からなくなる。これがカオスか…!
「おい」
「チクビーーム!」
「うへへへ!」
「おい」
「チクビーーム!」
「ぐへへへへ!」
「おい!」
ん? なんかゆうちゃんの声が聞こえる…。どこだ、ゆうちゃんはどこにいるんだ!?
「俺の心の中〜」
「おい! いい加減にしろよ!」
「えっ嘘ゆうちゃん!?」
窓にゆうちゃんがいた。いやだ幻聴じゃなかったのね。
俺の胸に張り付く中田を蹴落とし急いで窓をあけて、ゆうちゃんを中田の汚い部屋に招き入れる。
「ゆうちゃん何故、中田のベランダに!?」
「うるさい酔っぱらい。隣に住んでるんだよ」
「そうだったのでありますか!」
なんと、ゆうちゃんは中田のお隣さんだったのだ。なんだよ、中田そんなこと一言も教えてくれなかったじゃないか。
「お前何やってたんだよ」
「え、えと、中田と酒を飲んでいましたであります!」
「そうじゃなくて、今、中田と何やってたんだよ」
「え、今?」
えっと、酔っぱらった中田が俺に乗っかってきて、乳首引っ張られて、ゆうちゃんが来て…
「えっと、えっと…」
「……もういい」
「あっはい」
ゆうちゃんがため息をつく。やだ、俺なんかしちゃったかな?
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