2

 ゆうちゃんのために「うんま〜い!デリシャスイチゴミルク」を買って教室に戻る。へへ、ああ見えてゆうちゃんは甘いものが好きなんだ。そんなところも可愛いよね。

「あれ、ゆうちゃんは?」
「おー、なんか屋上行くってー」

 むう…俺を置いていくなんて…しょうがない、届けに行くか。
 …ん、待てよ? まさかゆうちゃんは二人きりになりたくて屋上へ!?
 そうか、そうか。ゆうちゃんは照れ屋さんだからな。二人きりになりたいって言えなかったんだな。可愛いのう。
 うきうきしながら屋上へと向かう。

「ゆーちゃーん! イチゴミルク買ってきた……よ…」

 扉を開けてそういうと、目に飛び込んだのは女の子とキスしているゆうちゃん。
 ゆ、ゆうちゃんの可憐な唇が……! どこの誰とも知らない女に…!

「ゆ、ゆうちゃんに何するんだ! アバズレめ!」
「はあ!? 誰がアバズレですってぇ!?」
「お前だっ! このっこのっ! ゆうちゃんから離れろ!」

 ゆうちゃんにくっつく化粧の派手な頭の悪そうな、ゆうちゃんには絶対絶対! 似合わない女をべりっと剥がす。

「なにすんのよ!」
「うるさいブス! ゆうちゃんに近寄るな!」
「はぁ? あんたこそ祐一に近寄らないで! 気持ち悪いのよ、このホモ野郎!」

 な、生意気な! しかもゆうちゃんを呼び捨てだと!?

「……真太郎」
「なあにゆうちゃん!」
「教室に戻れ」
「え」

 な、なんで俺が行かなきゃいけないの? この女のほうが大事なの?

「真太郎、行け」
「で、でも俺ゆうちゃんのために他より20円も高い170円する、うんま〜い!デリシャスイチゴミルク買ってきたんだよ? ゆうちゃんの好きなトロトロクリームパンも買ったし…。一緒に食べようと思って、たべっこ動物も買ったのに」
「いいから行けよ」

 そ、そんな…!
 俺よりその女を取ると言うのか! 酷い!

「ゆうちゃんのばかぁぁ!」

 あとから後悔しても知らないから!



[*prev] [next#]
[back]
[しおりを挟む]



「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -