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 ふと気付くと何か暖かいものに包まれていた。
 酷く心地が良くて、なんだか俺はうとうととしてしまう。
 耳を澄ますとどこからか、幸せそうな女と男の声が聞こえた。

 今、俺は一体何処にいるのだろう。
 死んだと思っていたが違うのだろうか?

 色々考えるが睡魔が俺を襲い、思考が中断された。


********

 とある貴族の夫婦に待望の子供が生まれた。名前はユリシア。男の子だ。
 夫婦は息子を大変可愛がっているがその息子、どこかおかしいらしい。

「ばぁ〜〜!」
「…………」
「ベロベロばぁ!」
「…………」

 本当にやめてほしい。いくら美形のお兄さんにでもそんなことやられたって嬉しくない。

 俺は戦争で死んだはずなのになぜか赤ん坊として今、生活していた。
 …なんで?
 俺馬鹿だからわかんないよ…サデスが恋しい。
 サデスがいたらきっと、今胸の中に溢れてる不安もなくなるだろう。

「あれれ?ユリシアくんどうしたのかなぁ?」
「うばぁ…」

 にこやかに話しかけてくる父親に罪はないが、今の俺には元気にかえす気力もない。
 うぅ……サデスに会いたいよう。

「うんちかなぁ? それともしーしーかな?」

 違う! 違うよ! やめてくれ! 頼むからやめて! おむつを脱がさないで!
 恥ずかしさで死ねる!

「うんぎゃああああああ!」
「はいはい、今取り替えるからねぇ」

 いやあああああ!

「あれ?綺麗なまんまだなぁ」
「うぎゃあ………ぎゃっ」

 泣き叫ぶ俺のおむつを脱がした父親が不思議そうに言う。
 そして俺の股間を見つめ始めたたかと思いきやちょんちょん、と俺の大事な大事なムスコに触ってきた。
 や、やめてぇ。おむつにするのが恥ずかしくて中々おしっこできなかったんだよぅ。
 刺激したら出ちゃうでしょっ!

「赤ちゃんのちんちんって小さいねぇ…」

 ちょんちょん、しながらそんなことを呑気に言ってくる父親。
 あ、もう、限界が…

「あぅ、……あぅぅうぅ………」
「わっ! ユリシア君しーしー出たね!」

 放尿する俺を見て、ちょっと嬉しそうに言う父親。
 サデス……俺今こそ死にたいよ…


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